自身のスタイルに合わせて最適解を!ミドルレイヤー、タイプ別の選び方
自身のスタイルに合わせて最適解を!ミドルレイヤー、タイプ別の選び方
ミドルレイヤーは、ベースレイヤー、アウターレイヤーに比べてバリエーションが多く、選びにくい。 近年はとくに製品や素材の進化が著しいウエアで、それが選択をより難しくしている。 そこでカテゴリーに分けて、それぞれのメリット・デメリットを解説しよう。 編集◉PEAKS編集部 文◉森山憲一 写真◉熊原美惠。 2024年11月号好評発売中! Amazonでのご購入はこちら。 登山ウエアのレイヤード(重ね着)の基本は3層。素肌の上に着るベースレイヤー、いちばん外側に着るアウターレイヤー、そしてその中間に着るウエアがミドルレイヤー(ミッドレイヤー、中間着などともいう)というわけだ。 ミドルレイヤーの主な役割は保温。ベースレイヤーとアウターだけでは秋~春の山では寒いことが多いので、その温度調整のためにミドルレイヤーが必要になる。 とはいえ暖かければよいかというと、話はそう単純ではなく、行動着としての「適度な」保温性や動きやすさも大切な要素。さまざまな特性を併せ持つことがミドルレイヤーには求められるのだ。 登山ではこのミドルレイヤーにもっぱらフリースが使われることが多かった。適度に暖かく、適度に蒸れず、適度に軽いというフリースの特性がミドルレイヤーに最適だったのだ。 ところが、10年ほど前に「アクティブインサレーション」というウエアが登場し、事情は一変。保温着として使われることが一般的だった中綿入りウエアの通気性を上げることで、行動中にも着られるようにしたのである。これはフリースより優れた点も多く、技術や素材の革新で年々進化もしている。現状どちらも一長一短。さて、どれを選べばよいのか?
①[middle layer] フリース
ミドルレイヤー永遠の定番。一着は持っておきたい。 登山ウエアとして40年以上の歴史をもつフリース。暖かさや軽さはもちろん、メンテナンスの容易さや価格の安さなども大きな利点で、登山をしている人なら一着はもっておきたいウエアといえる。ベースレイヤーに近いマイクロフリースから、毛足が長い極寒地用のものまで製品によって特性はさまざまだが、とくに薄手のものはアクティブインサレーションに勝る点が多く、利用価値が高い。 収納性に優れる。 ここは製品によってまちまちだが、一般にアクティブインサレーションより収納性に優れる。とくに薄手のものはコンパクトにたたむことができ、携行性が高いといえる。 ストレッチ性に優れる。 これも素材によって異なるが、一般にストレッチ性が高く、着心地がナチュラルなのもフリースの魅力。パワーストレッチなどストレッチ性に特化したものもある。 通気性が高い。 フリースは風を通しやすい。これは長所にも短所にもなり、気温が高いときは適度に熱を逃がしてくれる一方、風が強いときは寒く感じる。アウターとの併用が必須だ。 肌面はグリッド形状が主流。 グリッド形状に凹凸させたフリースは、凸面で嵩をかせぎながら、凹部分のグリッドを設けることで重量増を抑え、通気性アップにも貢献。登山ウエアとして最適なのである。 表面の仕上げが重要。 フリースは起毛素材なので、アウターを重ねたときに引っかかりやすく、動きやすさに難があることが多い。表面をスムーズに加工したものだと重ね着に有利だ。