資生堂がコア営業利益率目標を引き下げ、中国業績悪化受け構造改革
(ブルームバーグ): 資生堂は29日、2026年にコア営業利益率7%を目指すと発表した。中期経営計画で掲げた目標を実質的に引き下げた。主力市場である中国での消費鈍化を主因に業績が悪化しており、構造改革を進めて収益改善を目指す。
発表したのは2025ー26年に行う構造改革で、コア営業利益率は今年の3.5%と比べると改善となる。ただ中期経営計画では24年に6%、25年に9%とする目標を掲げており、業績悪化を受けて後退した形だ。
資生堂は中国事業に注力してきたが、景気後退で消費が冷え込んでいるだけでなく、旅先の免税店で購入する額も減っている。福島第一原子力発電所の処理水放出を巡る不買運動も尾を引いている状況だ。2024年12月期は営業利益が前期比82%減の50億円に落ち込む見通しで、構造改革を加速させるとしていた。
中国やトラベルリテール(免税店販売)事業は再構築を優先し、26年の売り上げ構成比は24年比で減少する見通しだ。藤原憲太郎社長は説明会で中国市場について「かつてほどの急成長は見込まないが、中長期的に見れば巨大な消費市場だ。アジア人の肌のエキスパートである当社が提供できる価値はある」と述べた。
財務基盤強化に向けてグローバルで24ー26年に原価や人件費などを計650億円削減して収益性を高める一方、成長戦略として注力ブランドの選択と集中を進める。
具体的には、「SHISEIDO」など3種類のコアブランドに紫外線対策商品やフレグランスなど5種類を加えた主要8ブランドに対するマーケティング投資を300億円積み増すとした。収益性や成長性が見込めないブランドについては撤退や縮小も検討する。
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Koh Yoshida