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迫る猛威、熊本厳戒 高潮の記憶 備え急ぐ 台風10号

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熊本日日新聞

 台風10号の接近に、熊本県内の沿岸部で警戒が強まっている。過去に高潮被害を受けた地区では、住民は不安を募らせ備えに余念がない。魚の養殖業者は対応に追われ、天草の離島では高齢者らを守るため避難準備を整えた。  1999年9月の台風18号による高潮で、12人が亡くなるなど大きな被害を受けた宇城市不知火町の松合地区。5日、住民からは「早めに避難せなん」と不安の声が聞かれた。  岩屋均さん(71)は当時、自宅が損壊。護岸強化や土地のかさ上げなど対策は進んだが、「浸水の恐れはある」と声を落とし、風雨が強くなる前に親戚宅に避難するという。  高潮後に完成した同地区の松合新港の一角には、7月の熊本豪雨で漂着した流木が小山のように積まれ、強風による飛散を防ぐネットが張られた。近くの漁師、江川賢一さん(73)は豪雨後、漂流する流木やゴミのため出漁できていない。「台風で海底の流木が巻き上げられると漁の再開が遠のかないか」と気をもんでいた。

 八代海などに残っている漂流物が高波や高潮で道路などに打ち上がらないか、沿岸自治体は懸念している。  99年の台風では、上天草市も高潮被害があった。当時、海沿いの実家が全壊した龍ケ岳町高戸地区の堀川安二さん(66)は「今回は避難所か、安全な場所に車で避難したい」。  今月2日の台風9号で、高潮の被害を受けた天草市河浦町の世界文化遺産「崎津集落」では、入り江の奧や海に通じる道路に土のうを積むなど備えた。  上天草市大矢野町では、養殖いかだを固定するアンカーを追加したり、ロープでいかだ同士を結び付ける作業に追われる漁業者の姿が見られた。  離島の天草市御所浦町の横浦島は、定期船や海上タクシー各社が6、7日の運休を決定。運休を見越し、食料や日用品を事前に購入した住民も多いという。6日午前には、旧御所浦北中校舎に自主避難所を開設する。高齢者らを早めに避難させるため区長を中心に市の許可を得たといい、窓に段ボールを張るなど準備を整えた。

 横浦地区の浦田譲治区長(63)は「数日間孤立することは時々あり、冷静に対応したい。風が強まる前に早期の避難を促していく」と気を引き締めた。(内田秀夫、松冨浩之、谷川剛、米本充宏)

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