前半の2ゴールで市船撃破の帝京長岡 昨年、青森山田に敗れた準決勝の舞台へ
1月5日のフクダ電子アリーナで、試合終了間際に市立船橋(千葉)の一撃を受けたものの、帝京長岡(新潟)が攻守両面で力強さを発揮。2年連続での準決勝進出を決め、「去年超えられなかった壁(帝京長岡) 古沢徹監督」、準決勝へチャレンジする権利を獲得した。 第99回全国高校サッカー選手権 トーナメント表 前半からペースを握ったのは帝京長岡。市立船橋がボールを持つと、素早くプレスをかけてボールを奪い、縦パスからのショートカウンターで試合序盤から相手ゴールを脅かしていく。葛岡孝大のロングスローも織り交ぜながら、背後を狙う帝京長岡の攻撃に対し、キャプテン石田侑資を中心に落ち着いた守備を見せていた市立船橋だが、スコアが動いたのは前半飲水タイム後の26分。ハイプレスで市立船橋からボールを奪い、そのままボールを持ち込んだ上野一心がゴール前で葛岡にパス。このパスを受けた葛岡が冷静にシュートを決めて帝京長岡が先制する。 その後もプレスからショートカウンターへつなぎチャンスを作る帝京長岡は、右サイドから佐々木奈琉が入れたボールをゴール前で上野一心が合わせて2-0。上野自身、「良いところで取れた」と振り返る得点で、市立船橋を突き放すことに成功する。追う市立船橋は、32分に井原充葵を下げて松本海槻を投入しFWに縦を狙った攻撃を意識させるが、攻守両面で好連携を見せる帝京長岡はペースを渡さず、2点のリードを保って前半を終了。 後半、前からのプレスを強める市立船橋だが、帝京長岡は堅実な守備とショートカウンターのスタイルを維持。市立船橋も八木智哉・加藤想音・松本らがゴールへ迫り、52分にはセットプレーから惜しいシーンも作っていくが、帝京長岡の守備を崩しきれず。55分に加藤が放ったシュートもGK佐藤安悟に止められノーゴール。その一方で、帝京長岡は、川上航立を起点としたショートカウンターで3点目を狙い続ける。 60分過ぎからは互いに運動量が落ちたことで市立船橋も攻めるシーンが増えていくが、右サイドを突破した長田京兵のクロスは帝京長岡の佐藤がキャッチ。66分にもデイフェンスの裏に松本が抜け出すが、ここでも佐藤が飛び出す好判断でピンチを防ぎ失点を許さない。試合終盤に上野・葛岡ら攻撃陣を下げた帝京長岡は市立船橋の松本に失点を許したものの、2-1で試合を終了。 「ハードワークとパスサッカーで相手を倒して、去年を超えたい(葛岡)」という帝京長岡が、昨年、青森山田に敗れた準決勝の舞台へ駒を進めた。 (文=藤原裕久)