森喜朗氏、繰り返される問題発言「子どもを1人もつくらない女性が…」で過去にも批判
「女性の理事を増やす場合は、発言時間を規制しないとなかなか終わらないので困る」
女性差別発言をした東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会長の森喜朗元首相(83)に対する批判が、国内外で高まっている。森氏はこれまでも、社会で問題視される発言を繰り返してきた。今回の発言で辞任の可能性にも言及した氏の、言動を振り返る。【BuzzFeed Japan/籏智 広太】
1. 「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」
朝日新聞によると、問題の発言があったのは、2月3日にオンラインで開かれた日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会。 女性理事を増やそうというJOCの方針に対する個人的な意見として、以下のように述べたという。 「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」「女性っていうのは競争意識が強い。誰か1人が手をあげていうと、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね。それでみんな発言されるんです」 その上で、「結局、あんまりいうと、新聞に書かれますけど、…女性を必ずしも数を増やしていく場合は、発言の時間をある程度、規制をしていかないとなかなか終わらないで困る」と続けたという。 JOCは理事25人のうち女性が5人しかおらず、スポーツ庁がまとめた指針に基づいて、女性の割合を40%以上に引き上げることを目標としている。
2. 「子どもを1人もつくらない女性が…」
森氏が女性差別の発言をしたのは、これが初めてではない。 自民党少子化問題調査会長だった2003年にも、子どもを持たない女性を否定する発言をし、批判を浴びている。 少子化問題に関する言及で、西日本新聞(2003年7月3日)によると、発言は以下の通り。 「子どもをたくさんつくった女性が将来、国が『ご苦労さまでした』といって面倒見るのが本来の福祉。子どもを一人もつくらない女性が、好き勝手とは言っちゃいかんけども、自由を謳歌し楽しんで年取って、税金で面倒見なさいっていうのは本当はおかしいんですよ」
3. 「日本は天皇を中心としている神の国である」
森氏が首相だった2000年の発言。「神の国発言」とも言われ、国民主権である日本国憲法の否定であり、戦前の「皇国史観」を抱えていると捉えられたことから批判が集まった。 これは、「神道政治連盟国会議員懇談会」の祝賀会における発言で、朝日新聞(2000年5月16日)によると、以下のような内容だ。 「日本の国、まさに天皇を中心とする神の国であるぞということを、国民の皆さんにしっかりと承知していただく」