朴槿恵前大統領の実刑確定~なぜ韓国では大統領がまともに引退できないのか
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月15日放送)に内閣官房参与で外交評論家の宮家邦彦が出演。韓国の朴槿恵前大統領に懲役20年の実刑が確定したニュースについて解説した。
懲役20年の実刑が確定した韓国・朴槿恵前大統領
収賄などの罪に問われた韓国の朴槿恵前大統領に14日、懲役20年の実刑が確定した。前任の李明博元大統領に続き、長期の服役となる。韓国の政界では2022年3月の大統領選を見据えて、早くも赦免、恩赦の是非が議論されているということだ。 飯田)朴さんは懲役20年、いま68歳でいらっしゃるということですので、88歳までですか。
まともに引退した大統領がいない韓国~健全な政治の姿ではない
宮家)私と同じ歳ですからね、あと20年入っているというのは普通考えられないですよ。前大統領ですよ。世の中には大統領で自分に恩赦を出す人もいるかも知れませんが、それは置いておいて、韓国の大統領の任期が5年になって、一期になってしまったので、レームダック化が激しくなっています。民主主義がうまく機能しているという言い方もあるかも知れませんが、韓国にはまともに引退した大統領がいないではないですか。捕まるか、いなくなってしまうか、どちらかでしょう。 飯田)そうですよね。 宮家)それは健全ではないですよね。やはり恩赦はやらなくてはいけないと思いますが、もう1度前大統領を安易に訴追するようなやり方を考えないといけないのではないでしょうか。こんなことをやっていて、エネルギーがすべてその政争の方に向いてしまっている。でも大統領には国民のためにやらなくてはいけないことが他にあると思います。 飯田)分断がより進むという方向に行ってしまう。 宮家)こんなことを繰り返していて、健全な民主主義が定着するのだろうかと思います。もちろん、悪いことをしたならば仕方ありません。しかし、こういうお金の問題は、日本もそうですが、透明性が大事です。政治家はお金が必要ですから、お金を献金するのは、当然なのです。政治家がお金をもらうのが、すべて悪いということではない。アメリカでも多くのお金を集めていますよ。