米兵遺族らが屋久島で慰霊祭 オスプレイ墜落から1年、慰霊碑も設置
鹿児島県屋久島の沖合で米空軍のオスプレイが墜落し、乗組員8人が死亡した事故から1年が経った29日、屋久島町で慰霊祭が執り行われた。米軍関係者や遺族らが参列し、事故現場を望む東海岸に建てられた慰霊碑を訪れた。 【写真】島に刻まれた記憶 拭えぬ漁師の不安 事故は2023年11月29日午後2時40分ごろに発生。オスプレイが岩国基地(山口県)から嘉手納基地(沖縄県)へ向かう途中に異常が発生し、島の東沖約2キロの海上に墜落した。米軍が公表した事故報告書によると、機体左側のエンジン付近のギアが破断したことなどが原因とされている。 この日の慰霊祭は非公開で行われた。防衛省と米空軍によると、式典には遺族や島民を含めて80人ほどが参列。事故が起きた午後2時40分ごろ、亡くなった乗組員8人に祈りを捧げた。その後、「日米友好の碑」と記され、8人の肖像と名前が入った慰霊碑に移動して献花したという。 慰霊碑は高さ約2メートル、横幅約3.5メートル。防衛省によると、米軍側の要望を受けて、日米有志の寄付で約200万円かけて設置された。自衛隊や海上保安庁、地元の漁協、婦人会などが協力した事故の捜索活動に触れ、「鹿児島の人々と米軍との間に構築された確固たる友好関係を永久に祈念するものでありますように」とも記されている。 取材に応じた米空軍の報道担当のリチャード・シーザー大尉は「兵士の慰霊だけでなく、島民の方々や米軍との固い絆を象徴するものになった。(日米双方の)癒やしの場になれば」と話した。(加治隼人)
朝日新聞社