専修大学付属高校を牽引する山下隆聖&中原康平は39年ぶりのウインターカップで『下克上』を目指す
「関東大会で1勝」の目標をすっとばし全国の舞台へ
文=丸山素行 写真=バスケット・カウント編集部 専修大学付属高校は東京都高等学校総合体育大会の代替大会として開催された『Tokyo Thanks Match』で優勝し、第12回大会以来、実に39年ぶりのウインターカップ出場を決めた。チームの核となるのはキャプテンであり精神的支柱の山下隆聖と、副キャプテンでポイントガードの中原康平だ。指揮を執る服部康弘コーチは山下について「攻めで派手なことはしないが守備でチームを支える」と語り、中原についても「スピードもついてきて、いなくては困る選手になった」と評価した。最初で最後の全国大会へ挑戦する2人に、ウインターカップへの思いを聞いた。 ──39年ぶりのウインターカップ出場おめでとうございます。まずは経歴を含めた自己紹介をお願いします。 山下 キャプテンの山下隆聖です。ミニバスでは都ベスト16、中学生の時は都大会で1回戦負けのチームでした。 中原 ポイントガードで副キャプテンの中原康平です。ミニバスは都でベスト4、中学生の時は僕も1回戦で勝てるかどうかのレベルでした。 ──ウインターカップ出場を決めた率直な気持ちを教えてください。 山下 目標が達成できてうれしいです。トレーナーさんの力を借りながら筋トレやランニングを各自でしていたんですけど、コロナの影響でインターハイがなくなってからはチームとしてのまとまりがない状況もありました。それでも、東京から3校出れることになってウインターカップを目標にしてきたので本当にうれしいです。 中原 目標は関東大会に出て1勝することでしたが、その大会がなくなってしまって、何に向かって練習しているか分からない状況が続きました。でも離れていた分、練習が再開してからはバスケも楽しくなったし、目標もより高いモノになったからこういう結果が出せたと思います。優勝というのは胸を張って言えることだと思うので、ウインターカップでは胸を張って東京代表として戦えるように頑張りたいです。 ──もともとの目標は関東大会で1勝だったんですね。かなりの上方修正となりましたが、全国経験者はいるのですか? 中原 新チームになってからは東京都ベスト4を目標にしてやってきてたので、正直、今回の結果に関しては驚いています。僕たちの代で全国に出たことがある選手はいないです。スポーツ推薦も1人もいないので。 山下 後輩で1人だけ国体に出たことがある選手はいますが、自分たちにとっては初めての全国です。 ──対戦相手のレベルが一気に上がることになりますが、あらためてチームの特長や強みを教えてください。 山下 自分たちが心掛けているのはディフェンスでプレッシャーをかけて速攻を出すことで、それがモットーです。都内でも身長は大きいほうではないですし、脚力があったり特別に上手い選手がなかなかいないので、プレッシャーをかけて自分たちの流れに持っていくことを意識しています。 中原 ゾーンではなく、一貫してマンツーマンを練習してきました。毎回同じ内容の練習で基礎がしっかりしているから、どんな相手のセットオフェンスに対しても対応できると思います。オフェンスはナンバープレーがなく、自分たちの決まった動きがない中で、一人ひとりの攻めの姿勢が相手のゾーンにも通用してきたと思っています。