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反発の声もあった「社員を個人事業主に」 それでも改革を進めたタニタ社長の”真意”

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PHP Online 衆知(THE21)

日本の働き方改革で抜けている視点とは

――いったい、谷田氏は働き方改革の何に危機感を覚えていたのだろうか。 谷田「それは、議論の中心が『残業(業務時間)を減らすこと』だけに偏りすぎていることです」 ――働き方改革が叫ばれるようになってから、各社がいの一番に始めたのが「残業の削減」だ。昨年4月に働き方改革関連法が施行され、残業の上限規制を超えた場合の罰則が設けられたことから、企業はますます残業削減に力を入れている。 谷田「その結果、定時の17時や18時には退社することが徹底され、残業は厳しく制限されるようになりました。もちろん、過労死を招くような長時間労働は絶対になくさなければなりませんし、過剰労働を放置してきた現場は一刻も早く是正に取り組まなければなりません。この方針には賛成です。 しかし、1日8時間できっちり仕事を切り上げることこそが『是』であり、それ以上の残業は『悪』という風潮には疑問を感じるのです」 ――残業削減に注力するあまり、ポッカリと抜け落ちている視点がある、と谷田氏は指摘する。それは、「従業員の能力開発」と「働きがい(主体性)」の視点だ。 谷田「私はこれまで、優秀なビジネスパーソンにたくさん出会ってきましたが、優秀な人は必ずといっていいほど、時間を忘れて仕事に没頭した経験を持っています。逆に、いついかなるときでも9~17時しか働かずに成長したという人を、私はまだ見たことがありません。 もし、若手の成長すべき時期に毎日9~17時で帰るような働き方しかしなければ、高度な仕事ができるようになるはずがありません。そんな定型的な仕事は、10年後にはAIに奪われているでしょう」 ――もっとも、長時間労働を奨励しているわけではない。定時きっかりで強制的に帰らせる仕組みだけでは、やる気のあるビジネスパーソンが一生懸命働いて、自分の能力を上げようとするのを邪魔してしまう、というのが谷田氏の主張だ。 谷田「ブラック企業の経営者というと、長時間労働を強いるイメージがあります。しかし、17時になったら強制的に帰らせて、その人たちが将来路頭に迷うのを黙って見ているのもまたブラック企業の経営者だと思います」

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