「子どもを産む予定はない」働く女性の半数以上に。政府の少子化対策に約7割が「期待していない」
厚生労働省が発表した人口動態統計によると、2022年の年間出生数は79万9728人であり、統計が開始された1899年以来初めて80万人を割った出生数となりました。 【円グラフ】働く女性の半数以上が「子どもを産む予定はない」という結果に 日本では少子化が急ペースで進んでおり、年々深刻化していることから、政府は「異次元の少子化対策」を掲げています。 しかし、2023年6月8日にリリースされた調査からは、半数以上の働く女性が「子どもを産む予定」はないと回答していることが明らかに。 2023年に入ってから徐々に「出産・育児に関する試案」が具体化され始めていますが、働く女性はこのような政府の政策についてどのように感じているのでしょうか。 本記事では、働く女性における「出産・育児」に対する考えや、働く女性が「子どもを出産する予定はない」と語る背景について紹介します。 ※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
働く女性の半数以上が「子どもを産む予定はない」
株式会社識学は、働く女性を対象に「こどもに関する調査」を実施し、2023年6月8日に公表しました。 調査概要は下記のとおりです。 ・調査機関 :株式会社識学 ・調査対象 :全国の従業員数10名以上の企業に勤める20歳~49歳の女性 ・有効回答数:300サンプル(こどもがいない方:150名/こどもがいる方:150名) ・調査期間 :2023年4月26日(水) ・調査方法 :インターネット調査 上記調査の結果、44.0%が「こどもを産みたいとは思わない、産む予定はない」と回答したことがわかりました。 20.0%が「こどもを産みたいと思っているが、産む予定はない」と感じており、半数以上の人が子どもを産むことに消極的であることが分かります。 株式会社識学の同調査で「こどもを産みたいとは思わない、産む予定はない」「こどもを産みたいと思っているが、産む予定はない」と回答した方にその理由を聞いたところ、「こどもが欲しいとは思わないため」が最多となりました。 次いで「自由がなくなるため」「こどもを産む・育てる自信がないため」「自分自身のために時間を使いたいため」が続いています。 上記結果から、経済的な理由よりも「ライフスタイルの変化」を考慮し、子どもを産むことへの懸念を感じている人が多いとうかがえます。 その背景のひとつが、「共働き夫婦の増加」と「家事分担の比率」といえるでしょう。 厚生労働省が発表した調査では、共働き世帯の割合は1989年が42.3%であるのに対して、2019年では66.2%と増加傾向をたどっています。 グラフから、共働き世帯は年々増えており、現代においては過半数以上が共働き世帯であることが分かります。 一方で、株式会社識学の「子どもがいる働く女性」を対象にした調査では、約8割の人が日頃の家事分担は自分が行っていると回答しています。 共働き世帯が多くなってきて働き方や生活仕様が多様化しつつありますが、家事分担では依然として女性が引き受けている世帯が多いようです。 上記の結果から、子どもを出産して職場に復帰したことを想定すると、育児だけでなく家事も並行して行う必要があり、より自分の「自由な時間」がなくなってしまうことを懸念し、現状は子どもを作らないという選択をしている人がいるのかもしれません。