石破首相「長期居座り」宣言か 「来年は参院選もある」発言が物議…党立て直し意欲 執行部は〝退陣論〟押さえ込みに必死
石破茂首相(自民党総裁)の言動が〝憶測〟を呼んでいる。東京・永田町の自民党本部で8日開かれた会議などに出席し、来年夏の参院選を見据えて党の立て直しを目指す意欲を示したのだ。石破首相は衆院選で自ら設定した「自公与党で過半数」という勝敗ラインを割り込む大惨敗を喫しながら、「政権居座り」を決め込んで批判されている。まさか、参院選も自身の看板で戦うつもりなのか。 【写真】親指、中指、人差し指、「Vサイン」も…答弁求め方も個性的な石破茂首相 「国民に大変に厳しい審判をいただいた。総裁たる私の責任だ」「来年は参院選もある。自民のためというよりも、日本国のため、地方組織の皆さまに厳しい意見や叱声を賜りますようお願いしたい」 石破首相は8日、党本部で開かれた衆院選落選者との懇談会や全国幹事長会議で、こう語った。 だが、石破首相には、自民党総裁選で強調した「予算委員会」での審議を反故(ほご)にして早期の衆院解散を強行し、事件捜査と党処分が終結していた派閥裏金事件を再燃させた責任がある。衆院選では「政治とカネ」の問題が指摘された議員の多くが落選した。 石破首相に〝狙い撃ち〟されたかたちとなった旧安倍派の衛藤征士郎元衆院副議長は「党として終結したと宣言すべきだ。いつまでも引きずられてしまう」と指摘した。前政権の岸田文雄前首相と茂木敏充前幹事長についても、「『(裏金ではなく)不記載の問題』とビシっと何度も言っておけば、こんなことにならなかったかもしれない」と対応のまずさを批判した。 同じく落選した旧安倍派の下村博文氏も、裏金議員の公認をめぐる混乱に触れ、「火に油を注いで野党の攻撃材料になった」と党執行部を非難し、「政治とカネ」問題にケジメをつけるよう訴えた。 石破執行部は〝退陣論〟も噴出する地方組織の押さえ込みにも必死だ。 森山裕幹事長は全国幹事長会議で、総裁選の決選投票で47都道府県連に1票ずつ割り振られる現行規定を見直す意向を示した。 9月の総裁選で、1回目投票で議員票、地方票含め総合トップだった高市早苗前経済安保相に次ぐ2位だった石破首相が決選投票で逆転した。 総裁選の地方票は、各都道府県連が党員・党友から郵送された投票用紙を集計し、党本部が合算した上で「ドント方式」と呼ばれる比例配分法で候補者に割り振るが、上位2人の決選投票での地方票は各都道府県連に1票ずつ割り振られ計47票となるため、逆転劇が繰り返されてきた。