足の冷え症対策は温めるだけではダメ。改善のコツと温活アイテムの使い方
3.足が冷える原因
足は冷やされやすい部位のため、基本の4タイプ中、どのタイプでも足の冷えを生じます。しかし、その冷え方や原因は異なります。今回は、特に足の冷えが強い下半身型と四肢末端型の冷えについて解説します。 (1)下半身型冷え症の足冷え 下半身型冷え症は、主に足が冷えるタイプの冷え症です。下半身型冷え症の原因は、腰臀部(ようでんぶ)の筋緊張や痙縮(けいしゅく)で起こる、下肢交感神経の緊張による動脈血流の低下や、ふくらはぎの筋緊張などによる下肢静脈の血流低下です。 下半身型冷え症の人は、冷え症外来の冷え症患者さんの約50%を占めます。約25%の混合型冷え症も、下半身型タイプとの混合です。男女ともに加齢とともに症状が見られる人が多くなるため、壮年者の冷え症のほとんどは下半身型冷え症が関与するといってもよいでしょう。 (2)四肢末端型冷え症の足冷え 手や足の末端の冷えが体幹部に広がっていくのが、四肢末端型冷え症です。指先や足趾(そくし:足の指)の皮膚温は基本4タイプのなかでもっとも冷たく、常に氷のように冷えている場合も珍しくありません。 四肢末端型冷え症は、体内で十分な熱が作られないために起こります。冷えによる体温低下が起きたとき、人は動脈血管を収縮させて熱放散を抑えます。四肢末端型冷え症の人はもともと熱量が少ないため、冷えが起きたときに、手や足などの四肢末端から必要な熱を逃がさないよう、体の防御反応が過剰に働いてしまうのです。 その結果、手足の血管が必要以上に収縮し、血流を減らしてしまいます。すると、手足の末端に熱がうまく運ばれず、強い冷えを起こしてしまうというわけです。 体重やスタイルを気にしてダイエット(食事摂取量減少)をしていたり、運動不足だったりする若い女性に多く診られますが、冷え症外来では全体の約10%を占めるに過ぎません。 (3)その他の足冷え その他で足の冷えを起こす代表的な疾患に、閉塞性動脈硬化症があります。よく冷え症の一部として紹介されますが、これは冷え症ではなく、れっきとした動脈硬化による動脈血管の狭細化に伴う疾患です。足の痛みを伴うこともあります。閉塞性動脈硬化症の場合、冷えより硬化した動脈の治療が必要です。