加齢により低下した基礎代謝を上げるには? 日常生活で実践できる5つの方法
30代になると、それまで順調だった新陳代謝が徐々に低下する……というのは、誰もがよく聞く話。そのため歳をとるにつれ、体重計の数値が増えたり、ジーンズがきつくなってフィットしなくなることもある。また年齢に抗うために、ジムで過ごす時間を増やしたり、食事を見直すべきだという、漠然としたプレッシャーを感じている人も多いはず。 代謝は年齢とともに低下するという考えは幼い頃から根付いているけれど、実はこれが真実ではないことが、最近の研究で分かってきた。
年齢による代謝の差は?
メイヨー・クリニックによると、そもそも代謝とは、体が食物をエネルギーに変換するプロセスのこと。専門家の間では昔から、30代、40代、50代、またそれ以降にかけて代謝が徐々に遅くなり、体重増加はほぼ避けられないと考えられてきた。 しかし、学術雑誌『サイエンス』に発表された画期的な研究で、実はこれが間違いだった可能性が示されたという。生後8日から95歳までの男性と女性、約6,500人を対象とした40年間の研究によると、私たちの代謝は、実際には20歳から60歳まで安定していることが発見された。 またカロリーの燃焼は60歳を過ぎると遅くなり始めるけれど、その変化はとても小さく、10年でわずか7%遅くなる程度だそう。たとえば、1日あたり約1,400kcalを燃焼する60歳の体は、70歳になっても1日あたり約1,300kcalは燃焼する。 健康的な体重を維持する努力をしている人によって、これはかなりうれしい発見。ただし、20代の頃の自分の写真を見返すと分かるように、加齢に伴う体重増加は代謝に関わらず起こってしまうもの。 米医師会雑誌(JAMA)の調査結果によると、アメリカ人の成人は、55歳までに年間450~900g体重が増えるのが一般的だ。けれど体重増加の原因は、体の老化ではないという。この研究の共著者で、『バーン』の著者である代謝研究者のハーマン・ポンツァー博士は、年齢とともに生活習慣が変化することで、脂肪が付きやすくなると述べている。