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大統領の消された妹。アメリカのファッション史を築いたケネディ家の女たちの光と影

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ジャクリーン・ケネディ・オナシス、その妹のリー・ラジウィル、ジョン・F・ケネディJrに嫁いだキャロリン・ベセット・ケネディ。ファッション・アイコンとして今もなお絶大な人気を誇り、現在も影響を与えているケネディ家の女性たち。でもその陰で人知れず存在を葬られた長女がいた……。華麗なる一族に隠された悲劇の長女、ローズ・マリーの人生が最新の資料に基づき1冊の本「ROSEMARY The Hidden Kennedy Daughter」として出版された今、ケネディ家の女性たちのパワーを振りかえれば、その分だけ強かった影の部分も見えてくる……。今回は大統領の妹、ローズマリーの“隠された”人生の物語。

【大統領の実妹】ローズマリー・ケネディ:ケネディ家の隠された長女

ローズマリー・ケネディ(本名は母親の名をとってローズ・メアリー・ケネディ)はケネディ家の長女として、兄のジョン・F・ケネディ誕生の翌年1918年に生まれた。ケネディ家9人兄弟の3番目の子どもで初の女の子。陣痛が始まるとすぐさま医者が呼ばれたが、時代はスペイン風邪大流行の年。看護師は間に合ったが、医師の到着が遅れに遅れた。当時の医師は分娩が終了するのを見届けないと診療費の満額が支払われなかった為、看護師は医師が到着するまで分娩を遅らせる訓練を受けていた。医師が到着するまでの2時間、看護師はローズマリーの頭を押さえ続け、産道から出ないようにしていた。恐らくこの医療ミスが脳への酸素不足を引き起こし、後のローズマリーの運命を左右する発達障害の原因となったと思われている。   ローズマリーの誕生後何年かして、母ローズは彼女が上の2人の子どもたちと違うことに気が付いた。何かにつけて動作が遅く、きょうだいたちと雪遊びに出かけてもソリに乗れなかった。他のきょうだいと同じ幼稚園に通ったが、非常に美しく、ローズの厳しい躾のおかげで作法や態度も上品だったが、勉強の進度は遅く、知能テストが行われ、彼女はIQ60~70、精神年齢8歳から12歳と判定された。当時の発達遅滞に関するアメリカ社会の(あるいは当時の社会全体)理解は現代では考えられないほど遅れていたため、進学は難しかった。   その当時導入された医学的分類のなかでは、明らかな発達地帯ではなくギリギリのラインにいた軽度の範疇にいる女性たちが最もむごい扱いを受けた。アメリカ社会を悩ます道徳観念の欠けた女性として「社会で問題を起こす人々である」とされたり、「欠陥のある」子どもたちを産む危険性があると差別されたばかりか、「世間の堕落や性の乱れを引き起こす」として施設に強制的に収容されたり、強制的に不妊手術を受けさせられるなど、映画『カッコーの巣の上で』で描かれたような光景以上の、非常に残酷な仕打ちを受けていた。

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