神奈川西部で震度5弱 その後の地震140回超も徐々に減少 県温泉地学研究所が観測
神奈川県西部で最大震度5弱を観測したマグニチュード(M)5・3の地震後、震源地の周辺などで発生した地震が140回超に上ることが、県温泉地学研究所の観測で分かった。揺れを感じない小規模な地震が大半を占め、回数は徐々に減少している。「陸の下にフィリピン海プレート(岩盤)が沈み込んでいる県西部では、今回のような地震は珍しくない」とし、日頃からの備えの大切さを強調している。 M5・3の地震は9日午後7時57分ごろ、秦野市付近で起きた。温地研によると、その後、13日午前10時までに震源周辺や相模湾などで140回以上の地震が発生した。規模はM1~2程度が中心で、同市や中井町で震度1となった地震もある。温地研は気象庁より密度の高い観測網を県西部に構築している。 1923年にM7・9の関東大震災(大正関東地震)が起きた県西部では、大規模地震のリスクが指摘されてきた。一方で近年では、今回のような中規模地震がたびたび起きている。 気象庁の集計によると、今回の震源近くで21年11月にM4・4の地震があり、震度3を観測。07年10月に発生したM4・9の地震では、震源付近の箱根町で震度5強の揺れとなった。同7月にもM4・4の地震で震度3を記録している。 温地研の板寺一洋所長は「M5前後の地震でも、今回のように震源が浅いと強い揺れになることがある」と説明。今後の地震活動を注意深く監視していくという。
神奈川新聞社