【独自解説】大阪地検トップの元検事正“性的暴行”を一転『無罪主張』 涙で訴えた女性「大切なものを全て失った」 いったい何故?裁判のポイントを詳しく解説
北川被告の弁護人によると「Aさん(被害者)が抗拒不能であったという認識はなく、Aさんの同意があったと思っていた。被告に故意はなく、無罪」と主張しています。 一方で女性検事は2024年12月11日の会見で、「どう主張すれば無罪判決を得やすいか熟知している元検事正が、主張を二転三転させて被害者を翻弄して『同意があったと思っていた』という姑息な主張」と話しています。
この姑息な主張とはどういうことなのか、元検事・若狭勝弁護士によると「通常であれば抵抗できるが、女性はお酒に酔って抵抗できない状態。それを利用して『同意があると思った』と主張したのでは。今後は女性と被告の主張の信ぴょう性を裁判所が判断」と話しています。 “同意”に関しては逮捕時も『同意があったと思っていた』という発言になっているため、判決が確定するまで推定無罪となるというところも含めて、今後、裁判で事実関係の確認が重ねられるということです。しかし、それがセカンドレイプと言われるように、これから色んな証言をしていかなければいけません。
■北川被告の主張は「性犯罪の撲滅を阻害し、むしろ助長させる」 性犯罪被害の認知件数増えるも『不同意性交』の被害にあった女性は半分以上が「誰にも相談していない」
女性検事は会見で「被告が主張を二転三転させ、無罪を争うことが、私だけでなく、今まさに性犯罪被害で苦しんでいる方々を、どれほどの恐怖や絶望に陥らせているか、今後多くの性犯罪者に“同意があったと思っていた”と主張させ性犯罪の撲滅を阻害し、むしろ助長させることになるかを知ってもらいたい」と訴えていました。
そして法律も変わってきています。去年の7月から『強制性業交罪』から『不同意性交罪』というものに変わっています。同意がないと犯罪になるということを、より明確にしたということです。 8つの成立要件である『暴行・脅迫』『心身の障害』『アルコール・薬物』『睡眠・意識障害』『不意打ち』『フリーズ』『虐待』『地位の利用』に満たすものが罪に問われるとのことです。そして控訴の時効期間も、10年から15年に延びました。法律が変わってから被害申告をして、警察が認知した件数も2023年から比べると1000件以上増えているということからも、訴えたくても訴えられない方が非常に多くいたのが分かります。
『不同意性交』の被害にあった女性に関して言うと、『誰にも相談していない』とういう方が55.4%います。その被害の申告になってくると、すごく大きなハードルになります。女性だけではなく、『不同意性交』というのは男性も被害者になる話なので、この事案が、他人ごとではなく、実は身近にある問題かもしれないということも考えて、この裁判の行方を見守っていきたいと思います。 (「かんさい情報ネットten.」2024年12月11日放送)
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