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21年の月日を経てついに日本初公開『海の上のピアニスト 4Kデジタル修復版&イタリア完全版』

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 まもなく21世紀を迎えようとしていた1999年12月、ジュゼッペ・トルナトーレ監督作品『海の上のピアニスト』が公開された。  あれから21年。長い時を経て、2020年8月21日より全国公開となるのが、『海の上のピアニスト 4Kデジタル修復版&イタリア完全版』である。  1枚のレコードから流れるピアノの音色をきっかけに、物語がはじまる。大西洋をめぐる豪華客船の中で見つかった生まれたばかりの赤ん坊は、20世紀がスタートした1900年にちなみ、「1900」(ナインティーン・ハンドレッド)と名付けられた。乗組員たちに育てられた「1900」は、船内のダンスホールで類いまれなるピアノ演奏の才能を発揮して、次々と即興で名曲を作り出していった。  その演奏は次第に話題となり、人々は彼に船から降りて脚光を浴びることを勧めたが、頑なに首を縦に振らない。彼はダンスホールで戯れる人々や命を懸けてアメリカへ渡る人たちや船で働く人たちを見て育ち、船の中で世界を知り生きてきた。  しかし、そんな彼も船内で出会った美しい女性に心を奪われ、ついに船を降りることを決意する。「1900」の運命はいかに……。  このたび公開される「イタリア完全版」では、日本公開時にカットされたおよそ50分のシーンが復活。幼いころの「1900」が音楽を身に着けた背景が丁寧に描かれている。「船」という壮大なゆりかごの中で生きてきた彼が愛情をもって育てられたことがわかる大切なシーンだ。  この作品には華麗なピアノ演奏のシーンがたくさん登場する。演奏されるのはどのジャンルにもこだわらない美しい旋律で、今年7月にこの世を去った映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネの技が光る作品である。エンニオ・モリコーネの音楽が観るものの感情を運び、時に主役として鮮烈な輝きを放っている。  筆者はピアニストなので「どんな練習をしたらそんなにピアノが上手くなるのかなぁ」とか「うらやましいなぁ」など、映画と直接関係のない考えが頭をもたげてくるのだが、ダンスホールで「1900」に扮したティム・ロスが涼しいまなざしで演奏するキャメルカラーの美しいピアノの響きや、気持ちのいい鍵盤の感触を思い、終始うっとりとしてしまった。 「4Kデジタル復刻版」では当時の35ミリネガフィルムが4Kスキャンで完全修復され、映像技術の進化が、豪華客船の内部や刻々と変わる海の色を、色彩豊かに表現する。  この作品を21年ぶりに観る人も、はじめて観る人も、海の上で生まれたあるピアニストの生涯を知ることで、自分の心のふるさとはどこなのか、自分にとって幸せとは何なのかを考える機会になるだろう。(文:天宮遥) 『海の上のピアニスト 4Kデジタル修復版』(121min) 8/21(金)~ シネ・リーブル梅田/なんばパークスシネマ/MOVIX堺/アップリンク京都/MOVIXあまがさき 『海の上のピアニスト イタリア完全版』(170min) 9/4(金)~ シネ・リーブル梅田/なんばパークスシネマ/MOVIX堺/アップリンク京都/MOVIXあまがさき ©1998 MEDUSA ※ラジオ関西『天宮遥の私はピアノ』2020年8月7日放送回より

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