札幌市内の病院でストライキ実施、“賃金支払い”めぐり裁判など騒動続く…何が起きているのか
親睦会の支出にも不正がある?
9月13日に北海道病院支部が公表した文書によると、9月24日から事件の完全解決までを期間とし、組合員が従事する札幌美しが丘病院内でストライキを含むあらゆる形の争議行為を病院全体か一部で実施するとしている。その上で、支部長の雇用問題など不当労働行為への謝罪と是正を求めた。 さらに、病院支部は病院の親睦会の支出にも不正があるとも指摘。親睦会費として毎月500円が給与控除されているが、それがどう使われているかは報告されていないという。一連の問題についての本稿記者の取材に対し、病院の担当者は未だ回答を寄せていない(10月11日現在)。 「不当解雇とも呼べる雇い止め撤回していただき、戻していただきたい」 10月2日のストライキで、解雇された看護師長はこうコメント。このまま事態が進展しなければ、10月中旬には訴訟を起こす考えを明らかにしている。 22年6月に新しく院長に就任した小原雅人氏のあいさつ文には「患者さんの権利を護り、安らぎを提供する病院(原文ママ)」の文字が躍っている。最悪の事態は避けたいところだが、果たしてこのまま「安らぎを提供する」ことはできるのだろうか。
小林英介(こばやしえいすけ) 1996年北海道滝川市生まれ、札幌市在住。ライター・記者。北海道を中心として、社会問題や企業・団体等の不祥事、交通問題、ビジネスなどについて取材。酒と阪神タイガースをこよなく愛している。
小林 英介