【ベトナム】パンガシウス、年末に向け輸出額増加へ
ベトナムのベトキャップ証券は、このほど発表した2024年の水産業界の見通しを示した最新リポートで、ベトナムの下半期(7~12月)のパンガシウス(ベトナム名:チャー、バサ)輸出額は上半期(1~6月)を5%上回る9億2,000万米ドル(約1,340億円)に増加すると予測した。22日付トイバオキンテー電子版が報じた。 農業関連の市場調査会社アグロモニターの推定によると、24年第2四半期(4~6月)のパンガシウスの輸出額は前年同期比11%増の5億200万米ドルだった。単価は10%低下したが、輸出量が22%増加した。輸出先別の輸入量は、米国が40%増、中国は23%増、欧州は5%増だった。ベトナム水産輸出加工協会(VASEP)は、これらの市場では年末に向け在庫を増やしているため、輸出量が引き続き増加するとみている。 上半期のエビの輸出額は8%増の16億米ドルだった。VASEPは、米国が今年3月にベトナム、インド、エクアドルから輸入するエビに補助金相殺関税を課したため、制裁関税を課していない中国へのエビ輸出競争が激しくなり、ベトナムの輸出価格に影響する可能性があると予想している。 中国では消費の停滞で、他の白身魚より値ごろ感のあるベトナム産パンガシウスの輸出業者が恩恵を受ける可能性がある。欧州市場では、ロシアと中国の水産物に対する厳格な措置が、ベトナムの水産物に有利に働く可能性がある。日本市場では品質の高いベトナム産エビが好まれており、年末に向けて輸出が拡大すると予想されている。