浦和西、苦しみながらも3回戦へ
西野朗元日本代表監督(現・タイ代表監督)などを輩出してきた伝統校が、苦しみながらも3回戦へと駒を進めた。 【フォトギャラリー】大宮南 vs 浦和西 10月18日、高校サッカー選手権・埼玉県予選の2回戦が行われ、浦和西は大宮南と対戦。序盤からショートパスを多用した仕掛けで先手を取りたかったが、思うように試合を運べない。「中学校時代に一緒にプレーしていた選手が多いので、互いのチームのことをよく知っている」と市原雄心監督が明かしたように、馴染みの顔が多い相手だった点がゲームを難しくさせた。 「1点入れば楽になる」と踏んでいた指揮官の思惑とは裏腹に、相手の牙城を崩せない。ただ、苦戦を強いられたチームを救ったのは守備陣の奮闘だ。「今までなら失点したかもしれないけど、苦しい時間帯に耐えることを積み重ねてきた」と市原監督が話した通り、夏以降に強豪校と練習試合を繰り返した成果がここで発揮される。吉田雄飛(3年)、珍田知輝(2年)のCBコンビを中心にチーム全員で苦しい時間帯を耐え、前半はスコアレスで折り返した。 迎えた後半は徐々に本来の姿を取り戻し、テンポの良いパスワークで崩す場面が増加。右サイドハーフの竹下颯真(3年)が得意の左足からチャンスを作るシーンもあり、徐々に相手ゴールへと迫っていった。すると、後半23分にスコアが動く。FKから好機を得ると、竹下の折り返しから吉田がゴール。苦戦を強いられたが、待望の先制点がようやく生まれた。 1点を奪ったことで肩の力が抜けた浦和西。以降は自分たちの良さを出して攻め込んでいく。追加点こそ奪えなかったが、最後までリードを守り切り、3回戦進出を決めた。 次の相手は西武台。昨年も3回戦で対戦し、0-3の完敗を喫した。「雪辱を晴らす」とは市原監督の言葉。47年ぶりの選手権出場を掴むべく、次週は宿敵との大一番に挑む。