東欧に並ぶ寿司セットとカップ麺。現地人が「めちゃくちゃ美味い」と絶賛する「コンビニ日本食」を食べてみた
多様なメニューが並ぶ「コンビニ飯」。日本では、豊富な味と種類が揃い、なかにはグルメと呼ぶにふさわしい高品質な商品が日夜を問わず味わえる。 ⇒【画像】東欧のコンビニで見かけたカップ麺。その名も「OYAKATA」
和食よりも恋しいコンビニ飯
筆者がそんな「コンビニ飯」のありがたみを再認識したのは、新型コロナウイルスをキッカケに東欧はポーランドでの移住生活がスタートしてからだ。 近年は地方都市でも日本料理店が増加してはいるものの、現在はコロナの影響で軒並み休業、もしくはデリバリーのみの営業となっている。外食にはお金がかかることもあり、気軽には頼みづらいのが現状だ。 また、本格的な和食が恋しいのはもちろんだが、小腹が空いたとき口にするコンビニ飯やお弁当、惣菜やスナックなども、味覚だけではなく明らかに質の差を感じることも少なくない。 「カサ増し」などネガティブな話題もあるものの、光り輝く棚に陳列された無数のコンビニ飯は、やはり日本の(特に一人暮らしの)食卓には欠かせないものだと、失って初めてその大切さに気づかされた。
コンビニに並ぶ寿司セットとカップ麺
そんなコンビニ飯に恋い焦がれながら、ロックダウン生活を送っていたある日、近所のコンビニに足を踏み入れると……。なんと、寿司らしきものが陳列されているではないか!? ポーランドではコンビニや日用品店は22~23時ごろに閉まることが一般的で、それ以降はガソリンスタンドの売店や深夜営業の酒屋(それでも1時ごろには閉まる)に行くしかない。 そのため、日本のように24時間コンビニ飯が味わえるわけではないが、日本風の料理が楽しめることに変わりはない。さっそく店内を物色し、寿司セットひとつとカップ麺3種類を手にレジへと急いだ。気になるお味のほうは……?
醤油やワサビ、ガリやお箸もセットに
まず試してみたのは「SUSHI 4 YOU」「Sushi Noriko」と、パッケージからハッキリと寿司推しが見てとれるセット。我々がパッと思い浮かべる寿司ではなく海苔巻きだが、ビジュアル的には悪くなさそうだ。パッケージに箸が同梱されているところも「本格感」が伝わってくる。 肝心の寿司は太巻き4つ、細巻き3つ、そしてカリフォルニア・ロールが2つと、小腹を満たすには十分なボリュームだ。 また、パッケージを開くと、なかには醤油、ワサビ、ガリも入っており、こちらもコンビニ飯に恥じぬ便利さ。ポーランドではソースなどを小皿にわけることが一般的ではなく、筆者の家にも醤油皿は皆無。こうした痒い部分に手が届く親切さも、コンビニ飯の特徴と言えるだろう。 さて、割り箸で寿司を口に運ぶと……思いのほかイケる!! 「美味い!」とまでは言わないまでも、これまで過去に食べてきた「海外の和食」に比べれば、コンビニ飯としては悪くない。 意外だったのは、カニかまや人参といった具材が弱点になるかと思いきや、違和感を感じたのはむしろシャリのほうだったことだ。丸みを帯びてやや粘着力のある、まさに日本人が親しんでいるお米なのだが、巻く際の圧力が欧米基準なのかガチガチに固まっている。 また、冷たくなっているせいか、芯の部分が残っているような印象を受けた。しかし、海外の、しかもコンビニ飯としては、十分合格点と言えよう。