温泉コンパニオンの性接待「正直、関わりたくない」 男性客に「貸切風呂のカギ」渡す仲居の苦悩、旅館の"黙認ルール”は違法か
●摘発が心配なら、従業員は「防衛策」をとっておこう
――カギを渡すなどの業務にあたった従業員まで罪に問われるでしょうか 理論上は、従業員も処罰対象になりえますが、通常、従業員は使用者の指示を受けてやっただけであり従属的な立場になります。場所の提供による直接的な利益を受けているわけでもないと思いますから、実際に処罰対象となるのは、旅館のオーナーなど、責任者だけである可能性が高いと思います。 ただし、それでも心配な場合は、万が一に備えて、警察に秘密裏に相談して、警察から旅館に指示・指導してもらう、オーナーと相談者のやり取りを録音するなど、客観的な記録に残しておくといった手段は防衛策として実施しておいてもよいでしょう。 ――「売春」とまで至らずとも、性的サービスがあればどうなるでしょうか 売春行為がおこなわれているということで、今回は売春防止法を中心に解説しましたが、相談者が指摘するように、売春行為はなくとも、「接待行為」や「売春行為ではない性的サービス」が旅館でおこなわれるような場合には、風営法が問題になってきます。 この場合も、旅館が風営法違反で罰されるかどうかについては、これまで説明してきた視点が重要になってきます。 【取材協力弁護士】 林本 悠希(はやしもと・ゆうき)弁護士 大阪大学高等司法研究科卒業、2018年弁護士登録、大阪弁護士会所属。2021年1月P&M法律事務所を設立。離婚・男女問題、交通事故、相続・遺言、刑事事件などに注力。弁護士になる前は歌手を目指していた。 事務所名 :P&M法律事務所 事務所URL:https://pandmlo.com/