記録的な残暑でイチゴが品薄&高騰 クリスマスを前に洋菓子店もピンチ
KSB瀬戸内海放送
クリスマスが近づいてきました。クリスマスケーキの予約が本格化する中、ケーキに欠かせないイチゴがピンチです。 【写真】S~Lサイズは品薄に…
(記者リポート) 「高松市内のスーパーです。イチゴの売り場面積かなり小さくなっているのですが、少し小さいもの、そして少し大きいもののみが売られていて、こちら842円で売られています」 高松市の新鮮市場きむらには、小さめの「SSサイズ」と大きめの「LLサイズ」のイチゴが並んでいました。 人気のSからLサイズの入荷はなく、品薄の状態が続いています。 (新鮮市場きむら 果物担当/岡部将貴さん) 「約2週間程度イチゴの出荷が遅れている。今Sサイズ、Mサイズ、Lサイズ、基本的なサイズのイチゴがかなり減っていまして、LLサイズ、LLLサイズ、SSサイズのようなイチゴを店頭で販売している状況。(Q.イチゴ高いって言われない?)よく聞きますので、こちらとしてもお買い求めやすい価格でなんとか努力している」 香川県三豊市のイチゴ園です。イチゴ農家の臼杵雄介さんが栽培しているのは「さぬきひめ」。 例年なら12月初旬に大部分が赤く色付き始めますが、2024年は色付きが遅れているそうです。 (うすきイチゴ園/臼杵雄介さん) 「(9月が)暑すぎまして、例年より定植をだいぶ遅らせて、今年収穫のスタートが遅れている」 イチゴの収穫が遅れている原因は記録的な「残暑」です。 例年、イチゴは暑さが一段落する9月に植え始めますが、2024年9~11月の日本の平均気温は基準値に比べて1.97℃高く、1898年の統計開始以来最も暑い秋となりました。 (うすきイチゴ園/臼杵雄介さん) 「出足は花芽がばらつきまして、まとまった収量が出ていないような状態です。例年より値段はどうしても上げざるを得ない」 イチゴ不足で大きな影響を受けるのはクリスマスケーキです。 坂出市にある洋菓子店です。イチゴ農家の臼杵さんと契約して安定的にイチゴを仕入れていますが、2024年は値段は上がっているといいます。 (パティスリーYUTAKA/田岡豊 シェフ) 「2~3割くらいは高い。使わないわけにはいかないので無理して使っている部分もありますけど、仕入れ値をすぐ価格に転嫁することがなかなか売る側としても心苦しい部分がある。でもしていかないとやっていけない部分もあるので難しいところですね」 店では2023年と比べてイチゴのショートケーキを30円、イチゴのタルトは100円値上げしました。 その代わりクリスマスケーキは値段を据え置きで予約を受けつけています。 (新鮮市場きむら 果物担当/岡部将貴さん) 「今年かなり高いですね。納品価格としては(1パック)100円ほど上がっている状態です。12月中はまだ高い状態ですけど、1月になると平年通りの値段に落ち着くかな」 クリスマスケーキなどでイチゴのニーズが高まる季節だけに、生産者も、洋菓子店も苦労が続きます。
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