「流産を経験」した人にはなんと声をかければいい? ❝絶対に言ってはいけない❞フレーズは? 米専門家がアドバイス
流産を経験した女性にかける言葉
【その人の言葉、ひとつひとつを聞く】 まずは、何かを喋るよりも先に、流産した人の言葉を聞くことから始めよう。「医療従事者や友人、家族は、流産した人が身体や経験、喪失について、"言ってほしい言葉"を伝えてあげることが、とても重要です」とランド医師。彼女は、そのためにも日頃から患者の話を親密に聞くようにしているという。 「お腹に生命を宿した母親たちは、本当によく専門用語を理解しています。ほかにも、だれかの経験談、自分が今経験している状況、その物語を一番よく理解しているのは患者自身なのです。だからこそ、その人自身が口にだす言葉に、親身に耳を傾けてください。そして患者が発した言葉を使うというのも、よいでしょう。サポートする側の人間が、口に出して同じフレーズを伝えることで、同調してくれているという安心感を覚えます」。 もちろん、心地よく感じる言葉は人それぞれで、そもそも「流産」という言い方を好む人もいれば、「早期妊娠喪失」を好む人もいる。その人が選んだ言葉の意味を完璧に理解する必要はないし、完全に同意できなくてもいい。だが、尊重はするべきだろう。 【その人の経験を認める】 上記でも伝えた通り、「相手の話を聞くのは大前提です。あなた自身の考えを述べたり、自分の経験談を話す場ではありません。もちろん、患者の話を遮ったりするのはもってのほかでしょう」と、心理療法誌でトラウマ回復治療専門家のシー・アンダーソンは述べる。 深刻なダメージを受けていて会話が難しいと感じた時は、相手が経験した事実と、それによる感情を認め、受け取めるということが大事。「ただ触れてあげる。ハグしてあげる。子どもを亡くした人を目の前にしているのです。ハグは言葉よりも、ずっと大きな力を持ちます」と彼女。 【どんなふうに助けてあげられるか考えて、一緒に聞く】 流産は誰にとってもトラウマになりかねない経験。そんな状況では、何が必要なのかわからないことがある。一方で、敏感に気づいていることもある。いずれにせよ、それはその人にしか分からないことなのだ。 つまり、どんな助けが一番必要であるかは、その人に聞くことが、最善の方法でもある。「『必要なものを思いついた時には、気楽に知らせてほしい』とか『今、私だからできる1番助けになることって何かあるかな?それとも何もせず、ただ側にいるのがいいかな?』などと聞いてみましょう。その人にとって何がメリットになるか分からない場合は、あなたが自由にアイディアを提案してみましょう。「ハグしてほしい?」「ディナーが食べたい?それともデリバリーで美味しいものを頼みたい?」「黙っているほうが楽かな?」「ただ一緒にいて欲しい?」など。 質問攻めにしたり、相手を圧倒したりせず、でも、あなたが知っているその人が大好きなものや興味を持っていることを自由に調整して提案すべき。 「一番大切なのは、その人が誰にも憐れに思われたりせずに済むよう、サポートしてあげこと。ひたすら支えられていて、愛され、尊重され、その人が望む通りに繋がる未来へのチャンスを与えられたのだ、ということを知らせたい」とアンダーソン。これが、その人にとっては助けを受け入れるチャンスを与えることになるかもしれないからだ。