“推しロス”を癒やす宿泊プランって何!? 静岡のマリオットホテルが開催する“オタク向け”旅がすごかった<取材レポ>
近年、トレンドから世の中に定着した推し活。推しがいると人生が豊かになる反面、突然の卒業、脱退、熱愛、結婚報道、キャラクターなどであれば連載終了や死亡など大きく心にダメージを与える喪失感=“推しロス”状態になることも少なくないもの。そんな推しロスを癒やすことに特化した宿泊プラン「Healing Journey(ヒーリングジャーニー)」が、静岡・修善寺にある伊豆マリオットホテル修善寺に登場。“推し活を応援”するのではなく、“推しロスを癒やす”旅はなぜ企画されたのだろうか? 今回クランクイン!トレンドは、プレスツアーに参加し、実際に本プランを体験するとともに、担当者に企画実施の背景を聞いた。 【写真】推しグッズたちよ、さようなら! 神社で行われる「推しグッズお清め祓い」の様子 ■なぜ“推しロスの癒やし旅”を開催? 今回開催される「Healing Journey(ヒーリングジャーニー)」は、企画担当者が昨年、推しロス状態に陥ったことから生まれた宿泊プラン。自身の経験から「推し活を応援するプランがあるように、推しを失った心を支えてくれるプランがあったら」との思いから本プランの実現に向けて動き出したという。 その準備段階で実施したという、推し活をしている20代から50代までの男女を対象にした意識調査によると、「2.5人に1人が既に推しロスの経験がある」と回答。推しロス時に癒しを求めた旅行をしたいかという質問には、約60%が「希望する」と回答し、日常から離れ、推しロスを癒そうとする人が多いことが分かったそう。 そうした需要もあることから本プランは誕生。そんな“推しロス旅”は果たしてどのようにぽっかり空いた心のすき間を埋めてくれるのだろうか? 実際に体験してみた。 ■想像以上に本格的! お清め体験に驚き 本プラン最大の見どころが「推しグッズのお清め体験」だ。これまで大切にしてきた推しグッズを「ただ処分するのは忍びない」という気持ちに答え、地域で親しまれている大仁神社にて、推しグッズのお清め=気持ちの整理をする時間を設けている。 まずは祭壇に推し活グッズを奉納。お炊き上げをするわけではないため、グッズの材質は特に問わないという。この日は「投げCHOして」「今日イチ可愛い顔見せて!」の文字入りの手作りうちわや、キャラクターのフィギュア、アクリルスタンドなど多種多様なグッズがずらりと並んだ。担当者に聞いたところ、元恋人や失恋相手を推しと定義して、手紙や写真などをお祓いしてもらうこともOKなのだとか。その手があったか。 当日の主な流れは下記の通り。 1.報鼓 2.開式の辞(神職より開式の案内) 3.修祓(神事参列にあたり参拝者のお祓いを実施) 4.献饌 5.祝詞奏上 6.清祓(推しグッズのお祓い・お清め) 7.玉串奉奠(玉串拝礼) 8.撤饌 9.斎主一拝 10.報鼓 11.閉式の辞 12.直会(御神酒をいただく) このように想像していた以上に「しっかりやるな…!」というのが素直な感想。さっとお祓い体験をして終わりだと思っていただけに、自身のお祓いから、祝詞の奏上、閉式の辞(終わりのあいさつ)まで丁寧に行われることに驚きを感じた。 実際に一連の流れを体験したのだが、グッズを納めてお祓いをしてもらうことで、一つの区切りを迎えられたような気持ちになりスッキリ。たとえ今推しではなくなってしまっても、これまで愛おしく思っていた思い出や気持ちは変わらないもの。心の中で「今までありがとう」と感謝の気持ちと共に送り出すことで、和やかにさよならを告げることができた。 ちなみに本プランを一足先に体験したという企画担当者は、お祓いを受けた後、別の推しのライブチケットが当選したそう。しかもこれまで当選経験がなかったのだとか。偶然の一致なのかもしれないが、今までの推しとの別れは新しい推しが癒やしてくれる…ということなのかもしれない。 ちなみに推しグッズお清め祓いの実施日は、2025年1月11日(土)15時00分からと、2月8日(土)15時00分からの2回のみ。この日に予約した場合、希望者は実際にお清め祓いに参加することができ、それ以外の日程ではホテルに推しグッズを預け、まとめてお祓いを行ってもらい、その後はホテル側で処分するとのこと。希望すればそのまま持ち帰ることも可能だというが、「心機一転という意味でもお預けいただけたらと思います。責任を持って推しへの思いをお預かりし、適切に処分させていただきます」とのこと。推しを惜しむ気持ちも潔く置いていこう。 そして本プランの面白いところはこれだけではない。実はホテルの中にも「そこまでやるか!」と驚く仕掛けがあった。