ブガッティ最新「トゥールビヨン」は、100年前の「タイプ35」にルーツがあった! 馬蹄形グリル以外にも受け継がれているDNAを紹介します
タイプ35のようにブガッティのアイコンとなるであろうトゥールビヨン
影響を受けた他の要素は、より細かい点ではあるが、先に述べた点に劣らず重要である。例えばタイプ35のフロントブレーキは、洗練されたリンケージによって制御されている。運転席からその作動を見ることができ、クルマとドライバーの間に明確なメカニカルなつながりをもたらしている。トゥールビヨンのキャビンにある複雑なエンジン始動レバーも、同様の原理に基づいて開発された。まったく新しい自然吸気V16に生命を吹き込むために使用されるメカニズムもまた、物理的な体験となるように意図的に作られており、過去の栄光のマシンと結びつける明確なリンクとなっている。 このハイパースポーツカーの完璧なまでに作り込まれたカーボンファイバー製の外装の下に隠されたトゥールビヨンは、3Dプリントされたアルミニウム製のフロント・サスペンションアームとアップライトなどの革新的な機構を備えている。この技術革新は45%の軽量化を実現し、エットーレ・ブガッティがタイプ35で開拓したアルミホイールと中空アクスルによるブレイクスルーを反映した最先端の開発である。 モルスハイムで製造されるすべてのクルマは、数十年だけでなく、数世紀にわたって耐えられるように設計されており、新しいトゥールビヨンはこの伝統を誇りをもって受け継いでいる。以前のタイプ35のように、トゥールビヨンは「永遠に」ブガッティのアイコンとなるであろう。 AMWノミカタ ロールス・ロイス、ベントレー、フェラーリなど創始者の想いや哲学を継承した物作りをしているブランドはあるが、あくまでも概念を継承しているケースが多い。ブガッティは現代の製品にもその想いを具体的に反映している点が素晴らしいと思う。エットーレ・ブガッティの美意識は、例えばボタンを押した時、レバーを引いたときに起こる機械的な作動の一連のプロセスにさえも反映されている。 そして、たとえクルマが止まっていても、そして動いていても、ひとつひとつのパーツを見られても、ひっくり返されてもその姿は美しくあり続ける。芸術と工学という一見相反する価値を妥協なく突き詰めるとこれほどまでに美しい創造物を作り上げることができるという良い見本をブガッティは教えてくれているのではないかと思う。
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