【京成杯AH】アスコリピチェーノがエルプス以来3歳牝馬39年ぶりV 今後は豪1着5億円レースへの参戦も視野
◆第69回京成杯オータムH・G3(9月8日、中山競馬場・芝1600メートル、良) サマーマイルシリーズ最終戦、第69回京成杯オータムH・G3(中山)は、昨年の2歳女王アスコリピチェーノ(ルメール)が完勝。ハンデ55・5キロを背負いながら力の差を見せつけた。 【データで見る】アスコリピチェーノの血統、戦績 春の悔しさを晴らすためにも、ここで負けるわけにはいかなかった。アスコリピチェーノがポテンシャルを改めて証明する競馬で秋初戦V発進を決めた。3歳牝馬のVは85年エルプス以来39年ぶり。「今日のなかでは一番強い馬でしたので、安全に乗りました」。ルメールは全幅の信頼を置いてパートナーを勝利へ導いた。 道中は中団外をリズム良く追走。楽な手応えで先行集団を射程圏に入れて直線を迎えると、早めに抜け出したサンライズロナウドをあっさりとパス。ムチ2発に反応して後続とのリードを広げ、ゴール前では流す余裕も。着差は1馬身1/4でも勝ち時計は1分30秒8とレコードに0秒5差だ。鞍上は「最後は絶対に脚を使えると思っていたので、徐々に外からポジションを上げていって(直線では)大きいスペースでいい脚を使うことができました」と涼しい顔で振り返った。 今年はここまで2戦で桜花賞、NHKマイルCともに2着。前走は直線で大きな不利を受ける場面もあり、悔しい思いをしてきた。黒岩調教師は「結果を出せなかったなかでの秋初戦。結果を出さないといけないと思っていました。今後のレース選択も明るい方向に広がったと思います」と完勝劇に笑顔があふれた。 指揮官が語ったように55・5キロのハンデ、古馬との力関係、開幕週で前残りの馬場と3歳牝馬にとって難しい条件をあっさりクリアした。「今後は豪州のゴールデンイーグル(11月2日、ローズヒルガーデンズ・芝1500メートル)を念頭に調整していきたいと思います」。決定ではないものの、1着賞金525万豪ドル(約5億円)で、昨年オオバンブルマイが勝ったレースへの参戦プランがあることを黒岩師が明かした。 G1・3勝を挙げたソングライン引退後のマイル路線は群雄割拠の様相。その女王と同じ勝負服を身につけたアスコリピチェーノが、圧倒的な力を見せつけただけに、今後の動向に注目が集まる。(浅子 祐貴)
報知新聞社