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『愛の不時着』大成功は必然。韓国ドラマ「ヒット請負人」企業の驚きの世界戦略

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BUSINESS INSIDER JAPAN

日本でもロングヒットを飛ばしているネットフリックスのドラマ作品『愛の不時着』。さらに『ザ・キング:永遠の君主』『サイコだけど大丈夫』などなど……。2020年現在、多くの作品がネットフリックス人気ランキングを席巻し、韓国ドラマは今、冬ソナブームに続く黄金期を迎えている。 【全画像をみる】『愛の不時着』大成功は必然。韓国ドラマ「ヒット請負人」企業の驚きの世界戦略 なぜ韓国で今、クオリティの高いヒット作が量産されているのか? カギを握るのが、韓国トップのドラマ制作会社、「スタジオドラゴン」だ。同社は『愛の不時着』をはじめとして、数々の名作ドラマを世に送り出している。メガヒット量産を可能にしたスタジオドラゴンのビジネスモデルを紐解いてみよう。

『パラサイト』生んだCJ ENMの子会社

スタジオドラゴンは、2016年5月に設立された韓国のドラマ制作会社だ。韓国のサムスングループから分離したCJグループの総合エンターテインメント企業・CJ ENMのドラマ事業部からスタートしている。 親会社であるCJ ENMは、メディアコンテンツ、映画、音楽、アニメ、ゲームなど、さまざまな分野に長期で大規模な投資を行っていることで知られる。映画配給事業では『パラサイト』の出資・配給も手がけている。 そんなCJ ENMから子会社として独立したスタジオドラゴンは、ドラマ制作本数は韓国トップを誇り、2019年には『愛の不時着』『ロマンスは別冊付録』、ネットフリックスオリジナル作品『恋するアプリ LOVE ALARM』など、28本ものドラマを世に送り出している。

4年で急成長、売り上げの3割が「海外」

スタジオドラゴンの強さの秘密を探る前に、その業績を決算資料からざっと概観してみよう。 2019年の売上高は、前年比で23%増の4687億ウォン(約419億円)。営業利益が287億ウォン(約25億円)。 日本のドラマ制作会社はほとんどが上場していないため単純比較は難しいが、アニメ制作会社と比較してみると、『プリキュアシリーズ』『ワンピース』などを手がける日本の大手アニメ制作会社・東映アニメーションの2019年売上高が548億円だというと、スタジオドラゴンの規模感がイメージしやすい(なお、東映アニメーションは1948年の設立)。 売り上げの約半分を占めるのが、編成(Programming)売り上げだ。これは親会社であるCJ ENMを通じて支払われる放映権料で、ほとんどがCJ ENMの子会社であるケーブルテレビ局「tvN」あるいは「OCN」から受け取る一次放映権料だと思われる(まれにtvN・OCN以外のテレビ局で一次放送されることもある)。 残りの4割程度が販売(Distribution)売り上げ(ネットフリックスでの同時配信など、CJ ENM以外のプラットフォームで販売しているすべての権利)で、さらにその残りの1割から2割を占めるのがスポンサードやプロダクトプレイスメント(PPL)などの広告費という構造になっている。 特筆すべきは売り上げに占める海外比率で、すでに3割を超えている(2019年時点)。この理由についてはのちに詳述する。

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