【独自解説】兵庫・尼崎市 紛失USBメモリー見つかる 全市民46万人分の個人情報は大丈夫?USB利用は仕方なかった?専門家が徹底解説
兵庫県尼崎市で市から委託された業者が全市民、46万人分の個人情報が入ったUSBメモリーを紛失した問題で、USBメモリーが24日、担当者が酔って寝ていた場所の近くでカバンとともに見つかりました。なぜこのような前代未聞の不祥事が起きてしまったのか?ITジャーナリストの三上洋さんが解説します。
なぜUSBメモリーを紛失したのか?
業務を委託された40代の男性は、21日、尼崎市役所からデータを持ち出してコールセンターでデータの移管作業を行っていました。移管作業終了後、USBメモリーを持ったまま同僚らと3時間ほど飲酒し、その帰り道の22日午前2時~3時頃まで路上で寝てしまい、USBメモリーの入ったカバンごと失くしたということです。そして22日に警察に遺失物届けを提出しました。
23日、尼崎市の緊急会見で委託業者は、「情報システムを預かる企業としては絶対に守らないといけないところを守れていなかった」と話しました。業者は紛失した3つの原因として「データを持ち出す手段について事前に市に許可を得ていなかったこと」、「データを運ぶ際にセキュリティー便などを検討すべきだったこと」、「作業後データを消去しないだけでなく、USBメモリーを持ち歩いて飲食したこと」をあげました。 Q.今回の出来事ですが、どこが問題だったと思われますか? (ITジャーナリスト・三上洋氏) 「個人情報の扱いについては、必ず研修が行われます。情報セキュリティーの教科書があって、してはいけないことを勉強します。その教科書に出てくる悪い見本をすべて詰め合わせたような出来事だと思います。本来は作業が終わった段階でデータを削除するか、会社の金庫などのカギのかかる所に入れてから飲みに行くべきです」 Q.セキュリティー便とはどういうものですか? (三上氏) 「こういった重要なデータが入っているもの専用の配送サービスで、盗難や紛失することが限りなく少ないものです。もちろんコストはかかってきます」