AI婚活を信用していい? いまさら聞けないAIの実力と弱点
AIがどんどん身近になっていますね。お掃除ロボットくらいだったら許せますが、最近はAI婚活なども注目を集めているとか。「え!? そこまで信用していいの」と思うのですが、気になって検索すると結構、評判も良い。あげくに、内閣府がAI婚活を支援するというニュースも。どうも少子化対策の切札らしいのですが。 ちょっと、今のAIの実力をチェックしておいた方がよさそうです。今回はAIの歴史や「AIに仕事を奪われる」問題などの定番メニューを考えていきます。
いまは第3次AIブーム
AIは「人工知能」という派手な名前からも、注目されてしまう宿命を持っています。そのせいかAI半世紀の歴史は“期待と失望"の繰り返しでした。現在は第3次AIブームですが、まずAIの歴史をザックリ振り返ってみましょう。 AIが歴史に登場したのは、1956年のダートマス会議です。AI第1次ブームが1950年代後半から1960年代に起こります。当時は、コンピュータで推論や探索をすることで特定の解を出すことができるようになりました。とはいえ、AIがヒトの抱える問題を直接、解決するわけでもないので、ブームは下火に。 第2次AIブームは1980年代にやってきます。ちょうどパーソナルコンピュータが第一線に躍り出た時代です。このとき注目されたのが「エキスパートシステム」。これはAIに大量な情報と回答をだすルールを入力し、専門家のように答えをだすものです。 当時、「エキスパートシステム」は熱狂的に迎えられたのですが、ルールの数が数千、数万となると矛盾や一貫性の無さが出てくるようになりました。結局、期待が大きかった分、失望へと変わってしまい、AIはまた冬の時代へと突入します。
ディープラーニングの衝撃
現在の第3次AIブームは、 2000年代初頭の「ディープラーニング(深層学習) 」の登場で始まりました。 ディープラーニングはAIが入力データから自ら学習し、特定の知識やパターンを覚えさせる必要がありません。これまでの技術では現実世界(環境)から得られるパターン(特徴)認識を学習させることが非常に難しかったのですが、これが可能となりました。 実は半世紀前から「シンギュラリティ(技術的特異点)」みたいなことは言われていたのですが、今度こそは、本当に破壊的なイノベーションが起きると言われています。ディープラーニングでは「認識(画像認識)」「運動の習熟」「言葉の意味理解」が可能となります。 現在はこの第3次AIブームと並行して、IoTの時代が到来しています。2021年、全世界でIoTにつながるデバイスの数は約448億台に達すると予測されています。ここから収集される膨大なビッグデータ活用を、自ら学習できるディープラーニングに担わせる。世界はそのような方向に進むと言われています。