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川栄李奈に“元AKB48”の肩書は必要なし! 復帰作の『BG』で女優としての実力を証明

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リアルサウンド

 木村拓哉が主演を務めるドラマ『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)が、6月25日に第2話を迎えた。 【写真】木村拓哉×川栄李奈のオフショット  シーズン2の初回では、島崎章(木村拓哉)がフリーのボディーガードに転身。その後を追うように高梨雅也(斎藤工)も「KICKS CORP.」を辞め、2人の最強バディが本格始動することになった。  シーズン1で毎話ゲストを迎えていたように、シーズン2も基本ゲスト出演の1話完結型で進行していくようだ(とはいえ、裏でストーリーはシームレスに進んでいく)。第2話のゲストは川栄李奈。2019年11月に第一子を出産し、これが久々の女優復帰となる。  川栄が演じるのは、目の不自由な天才ピアニスト・守尾恵麻。第2話の幕開けは一点を見つめる恵麻の顔から、カメラが引いていきピアノの演奏シーンへと移っていくのだが、物語が進むにつれ、全盲の役を演じるのがどれだけ難しく、デリケートであるかを理解する。  まず、演技の基本となるのは目の焦点。恵麻の表情から始まるのはそのことを印象付けているが、焦点を合わせずに歩く、もしくは人と話すということが、どれだけ大変なことかは想像に難くない。見えているのに見えていない演技をしなければならないのだから。ましてや、川栄が与えられた役はピアニスト。驚くことに、川栄は音符も読めずどの鍵盤が「ド」かも分からないレベルから、猛練習を重ね、リサイタルシーンを演じきったという。正直、前情報がなければ当て振りだと誰もが思うだろう。努力家である川栄の女優魂が炸裂した気迫溢れるシーンである。そして、川栄は目の不自由な役のため、視覚障害者支援団体でも指導を受けたというが、演技に苦戦している彼女に手を差し伸べたのが、主演映画『武士の一分』で失明した役を演じた経験のある木村だったという。  以前、盲目の漫談家として有名な濱田祐太郎が『水曜日のダウンタウン』(TBS系)の企画『「箱の中身は何だろな?」得意な芸人No.1濱田祐太郎説』で鋭い触覚、想像力、洞察力を発揮していたことがある。恵麻もボディーガードについた島崎と高梨に「見えないから見えるの」と相手の声色や周りの音、空気、沈黙に対して、即座に反応していく。「ステーキが食べたい」と恵麻を青山の店に連れていく島崎と高梨。彼女には嘘がつけないと理解した島崎が正直に高梨とスマホ上でのやり取りをしていたことを恵麻に打ち明けた辺りで、段々と島崎と高梨の表情に惹きつけられていることに気がついた。それは、守尾を前にしてはセリフ以上に2人の表情が真実を伝えているから。劉光明(仲村トオル)のもとで暗躍していると思わしき犯人(中村織央)が近くを通った際の島崎の声を押し殺す様子が分かりやすい。2人の演技をより引き出す役割を川栄が担ってもいるということでもある。  和解した姉の美和(谷村美月)と恵麻が一緒に教会でピアノを弾くシーンも印象的だったが、もう一つ挙げるとすれば、任務を終えた島崎との別れの場面。身を以て“池田屋階段落ち”で襲撃から護ってくれた島崎に恵麻は心を許していく。「しつこい」と言いながら、笑みを隠せない恵麻。島崎の顔を触り、恵麻は「ハハ」と微笑む。先述したように、視覚障害者は触覚の感度が高く、恵麻は気恥ずかしそうにしている島崎の表情を読み取ったのだろう。陰鬱な表情を浮かべていた前半から、晴れやかな笑顔を見せるギャップも流石だ。2019年初頭、大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(NHK総合)、『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)、『デザイナー 渋井直人の休日』(テレビ東京系)と出演ラッシュが続き、名実ともに女優として確固たる地位を築いた川栄。2020年、再びリスタートを切るのに、川栄にとって相応しい役柄だったのではないだろうか。  恵麻は「全盲」であることを“武器”にしているという島崎とのやり取りに、「元AKB48」と見出しについてしまうアイドル出身という宿命を川栄も背負っていることが、少し重なって見えた。けれど、島崎の言う通りに「もう“武器”なんか必要はない」。それは川栄にも言えることだ。

渡辺彰浩

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