風邪の予防にも! 免疫力を上げる栄養素 10選
ロンドン大学の博士研究員で英「ヘルス・サイエンス・アカデミー」の主任を務めるアレックス・ルアニさんによると、食事は免疫システムを健康に保つうえでも大きな役割を果たしているという。 「免疫システムをサポートしてくれる栄養価の高い食事を摂ることで、より効率的かつ迅速にウイルスと戦うことができるのです。ただし栄養価の高い食事を摂ったからといって、感染症にかかるリスクが下がるということはないので、注意が必要です(ワクチン以外の予防策はありません)」とルアニさん。 一般的に必須栄養素の欠乏は、免疫システムの弱体化(感染症を撃退する能力の低下)をもたらすと、ルアニさんは語る。 ルアニさんが教えてくれた、免疫システムを最高の状態に保つためのヒントをさっそくチェックしてみよう。
免疫力をアップさせるフードって?
ルアニさんは「その食品だけで免疫力を奇跡的にアップさせるような食べ物はありません」と強調。幅広い栄養素を摂取するには、さまざまな食品を食べる必要があるという。ルアニさんのおすすめは、これから紹介する11の栄養素が入った食事を心がけること。
免疫力をアップさせる栄養素その1 食物繊維
「腸内細菌が短鎖脂肪酸を生成するのに十分な食物繊維を摂っていないと、免疫細胞が最高の状態で機能できないのです」とルアニさんは説明する。 全粒穀物(オート麦、ライ麦、キヌア、玄米)、根菜類(にんじん、さつまいも、かぼちゃ)、果物(りんご、洋梨、バナナ)、アブラナ科の野菜(ブロッコリ、芽きゃべつ)、マメ科植物(小豆、レンズ豆)などはすべて、食物繊維を豊富に含む食材。
免疫力をアップさせる栄養素その2 アミノ酸(たんぱく質)
「アミノ酸で構成されるたんぱく質は、免疫システムを適切に機能させるのに欠かせません。必須アミノ酸が欠乏すると、免疫機能および免疫細胞の複製力が低下する恐れがあります」とルアニさん。 魚、鶏肉、卵、ヨーグルト、カッテージチーズなどには、8種類の必須アミノ酸がすべて含まれているので、冷蔵庫に常備しておくと良さそう。 植物性の食品だけでは、免疫機能に必要な8種類の必須アミノ酸を摂取できない可能性があるとか。とくにビーガンの場合は、さまざまな植物性食品(葉物野菜、根菜、シード類、マメ類、キヌアやオート麦、米などの穀物)を組み合わせて、8種類の必須アミノ酸をまんべんなく摂取できるよう工夫する必要がある。