「働き方改革」でも、サービス残業は減っていない?
もっとも、ここで推計したサービス残業が実体を完璧に反映しているか微妙で、数値はあくまでも一つの判断材料に過ぎません。したがって、数値は相当な幅を持ってみる必要があり、このデータをもって働き方改革が失敗、逆効果というつもりはありません。 しかしながら、過去2年にサービス残業の減少が一服してしまった可能性があることは事実ですし、それは残念なことです。長時間労働の是正そのものには大賛成ですが、同時に効率性の改善を強く要求することはサービス残業の増加を通じて労働者の負担増となる可能性があります。 (第一生命経済研究所・主任エコノミスト 藤代宏一) ※本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。