津波を引き起こしやすい “アウターライズ地震”
■最大震度5で大津波を引き起こした「昭和三陸地震」 過去に起きたアウターライズ地震としては、1933年の「昭和三陸地震」(M8.1、1896年の明治三陸地震〈M8.2〉の37年後)、「2007年千島列島沖地震」(M8.2、06年千島列島沖地震〈M7.9〉の2カ月後)、12年の「スマトラ島沖地震」(M8.6、04年のスマトラ島沖地震〈M9.1〉の8年後)などの例がある。とくに昭和三陸地震は最大震度5だったが、大津波によって3,000人以上の死者・行方不明者が出た。 ■震度4でも6~10メートルの津波発生の可能性も 2011年3月11日の東日本大震災では、地震発生から約40分後の午後3時25分に発生したM7.5の余震や、同月22日に発生したM6.7の余震がアウターライズ地震とみられるが、その後は発生していなかった。東日本大震災の地震(2011年東北地方太平洋沖地震)の震源域は、日本海溝の西側(陸側)の岩手県沖から茨城県沖までの南北500キロメートル、東西200キロメートルの範囲であり、対となるアウターライズ地震の想定震源域もまた広大だ。気象庁は「M8級のアウターライズ地震の場合、震度4や5弱でも津波は6~10メートル以上となる。揺れが小さくとも、警報が出たらすぐに避難してほしい」と呼びかけている。 (文責/企画NONO)