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「日本学術会議」の正体とは 「非民主的」「野党のようなもの」大学教授ら語る

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デイリー新潮

 鬼の首をとったかのような大騒ぎである。日本学術会議の新会員候補6人を菅義偉総理が任命しなかったことが報じられ、野党は臨時国会の争点だと息巻いている。早くも新政権が躓いた格好だが、さて、官邸が蛇蝎の如く嫌うこの団体、一体如何なる組織なのか。  ***

 この問題をスクープしたのは1日の「赤旗」だった。  任命拒否された6人のひとり、立命館大学大学院の松宮孝明教授の談話を紹介し、菅総理が学術会議の人事に介入、学問の自由を侵害している、と報じたのだ。 「この6人には共謀罪や安保法案に反対した過去がある人もいて、それを嫌った官邸が任命しなかったといわれています。しかし、官邸はその理由を一切説明していません」(政治部記者)  3日朝に都内で記者相手に行われた菅総理の「パンケーキ懇談」でも多くは語られず、批判は日増しに高まるばかりだ。  しかし、「学者の国会」といわれる日本学術会議の内情を追うと、学問の自由を声高に叫ぶのとは、また別の側面も見えてくるのだ。  日本学術会議は1949年設立。戦時中に科学者らが戦争に協力させられた反省に立って、政府から独立して政策提言等を行う組織だという。ただ、内閣府の特別機関という位置づけで、 「210人の会員と約2千人の連携会員で構成、予算は国費で賄われ年間約10億円です。会員には名だたる学者が揃い、非常勤の特別職国家公務員という扱いで約2万円の日当も支給されます」(同)

理系学部への影響力

 注目されたのは、3年前である。防衛省が創設した研究助成を批判し、「研究者は軍事研究を行うべきでない」とする声明を発表。この声明を受け入れ、研究をストップした大学もあり、その権威を見せつけたのだ。  元連携会員である、国際政治学者の篠田英朗東京外国語大学教授は、 「このことに加え、使用済み核燃料の処理についてなど、日本学術会議は政府の方針と反する声明や提言を出しています。もともと大学コミュニティは思想的に左に傾いている人も多い。左翼的カルト集団ではありませんが、学術会議はほとんど野党のようなもので、だから政府・自民党と対立するのではないでしょうか」  もっとも、大学に与える影響力については、 「大学では文系よりも、学術会議の声明が研究内容に直結する理系の方が影響は深刻だと思います」(同)  旧帝国大学の理系学部で教鞭を執る教授が明かす。 「特に理系の研究分野では学術会議の推薦がなければ大型プロジェクトは進みません。例えば、岩手県と宮城県の山間部に作られる予定だった素粒子の大型実験施設・国際リニアコライダーは、学術会議が最近ネガティブな評価をしたことで政府が及び腰になり、ほとんど計画が頓挫してしまいました」  一度目をつけられれば、研究者も蛇に睨まれた蛙になってしまうというわけだ。実態も「学者の国会」とはかけ離れているそうで、 「新規の会員は選挙ではなく、別の会員に推挙してもらうことで初めて国に任命される。決め方は非民主的です。自然、思想的にも似た人が集まるので、とてもじゃないですが、学者を代表する組織とはいえません」(同)  そして、今回の騒動についてはこう断ずる。 「学問の自由の侵害ではなく、単に学術会議の自由が侵されただけですよ」(同)  果たして本当の鬼は官邸か、それとも学術会議か。 「週刊新潮」2020年10月15日号 掲載

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