【チャンピオンズC】ロスなく立ち回れる器用さと自在性が武器 京大競馬研の本命はウィルソンテソーロ
レモンポップは連覇で引退の花道を飾れるか
12月1日(日)にチャンピオンズC(GⅠ)が行われる。GⅠ・5勝の国内絶対王者レモンポップをはじめ、JBCクラシック勝ち馬ウィルソンテソーロ、フェブラリーS勝ち馬ペプチドナイルなど豪華メンバーが集結した。 【チャンピオンズカップ2024 推奨馬】勝率66.7%に該当で信頼度◎! 国内は連対率100%で盤石(SPAIA) 秋のダート王決定戦に相応しい混戦模様の一戦。昨年の勝ち馬であるレモンポップはここを最後に引退が発表されており、連覇で花道を飾れるかも注目となる。 以下では、本レースが行われる中京ダート1800mのコース形態と、それに起因するレースの質、そして想定される展開を踏まえ予想する。
内ラチ沿いを走ることが鉄則
まずは中京ダート1800mのコース形態をみる。ホームストレッチ真ん中よりやや左寄りからスタート。ほぼ平坦な1~2コーナーを回ると、バックストレッチ半ばまで緩やかな上り坂で、そこから3~4コーナーにかけて全て下り坂。また3~4コーナーはスパイラルカーブとなっている。 最後の直線は410.7m。JRAダートでは東京競馬場に次いで2番目に長い。ゴール手前380m地点から220m地点にかけては中山ダートに次いで傾斜がきつい高低差1.8mの急な上り坂。ラスト220mは平坦な直線だ。コーナー4回、坂3回という全体を通してタフなコースレイアウトとなっている。 まず注目すべきは初角までの距離が短いこと。序盤の先手争いは長引きにくく、ペースは上がりにくい。またポジション争いでは内枠の馬が有利だ。その後も平坦な1、2コーナーから緩やかな上り坂となる向正面半ばまでペースは上がりにくい。 ペースアップするのは3コーナー入り口から。ここから最後の直線半ばまで全て下り坂となるため、序盤、中盤で脚を溜めた先行勢が一気に加速していく。直線に入るまでに後方勢が先行勢とのポジション差を埋めにくい。加えて3、4コーナーは下り坂かつ急カーブとなっているため、このポジション差を無理に外からマクって埋めに行くと、すごく大きなロスが生まれる。 さらに4コーナーはスパイラルカーブとなっているため、先行勢がスピードに乗ったまま直線に向かうと馬群が一気に広がり、この先行勢のさらに外を回す後方勢はこれだけでもかなり厳しい競馬となる。3、4コーナーで無理に外から位置を上げようとした後方勢はさら厳しく、その時点でほぼノーチャンスと言っていい。 直線も半ばで急な上り坂があり、それを登り切った後も平坦な直線が続くタフなコース形態。全馬終盤の脚色は鈍り、上がりに差が生まれにくい。したがって序盤、中盤で積極的に前に位置を取り、出来るだけ内ラチ沿い走れる器用な先行馬が恵まれやすいというのが、このコースが持つレースの質だ。 <チャンピオンズC 4角6番手以内馬の成績(過去10年)> 【7-5-9-43】勝率10.9%、連対率18.8%、複勝率32.8%、単勝回収率154%、複勝回収率147% この傾向は数字にも表れている。チャンピオンズCにおける4角6番手以内馬の成績は上記に示した通り優秀だ。馬券内となった30頭中21頭を占めている。また、その中でも内ラチ沿いを走りやすい1~4枠の馬だけでみれば【5-2-5-20】勝率15.6%、連対率21.9%、複勝率37.5%、単勝回収率255%、複勝回収率157%と、さらに数字は上昇する。 ただ、補足しなければならないのは、本レースは国内ダート最上位条件だということ。ダート戦は基本先行有利のため、先行して結果を出してきた実力馬が毎年多く揃う。そのため本レースや上級条件に限れば、圧倒的な先行有利というほどでもない。 むしろ、先行有利なダートで差して結果を出し、ここに出走してくる馬の方が高い地力を持っているとも言える。重要なのは脚質以上に、内ラチ沿いを走れるかということ。ペース次第では道中内で脚を溜めた差し馬にもチャンスはある。 それが過去10年で4角7番手以下から馬券内に入った9頭の好走パターンだ。今回のメンバーでいかに先行馬が揃い、差し馬が好走してくるか。次の展開予想で考察していく。