サービス満点すぎる親子丼、カレーソースの“薄いトンカツ”、やたら短いウェイトレスのスカート…ソウルで根付く韓国流「日本食料理店」の世界
ソウルを歩いていると、日式や正統日式という看板を目にする。これは、いわゆる「日本食」のことである。 【画像】サービス満載の親子丼、カレーソースの“薄いトンカツ”、やたら短いウェイトレスのスカート…ソウルで根付く韓国流「日本食料理店」の世界を写真で見る(全24枚) 韓国では韓国料理を略して韓食または韓式といい、中国料理は中式、日本料理は日式と呼んでいる。日食と言わず日式と呼ぶ理由は定かではないが、「食」と「式」のハングル表記は同じなので、日食が日式に転化したのかもしれない。 正統中国料理店はとても多いが、ある中国人は、「正統を掲げる中国料理店で出てくる料理は、中国には存在しない」と話している。では、正統を掲げる日式のレストランはどうだろうか。実際に見ていこう。
“日式料理”の「丼もの」は…
こちらは若者に人気の店の唐揚げ丼。マヨネーズがたっぷり乗っている。日本でも食べ盛りの若い学生が食べていそうな見た目で、日本でイメージされる「日本料理」とは異なるが、このあたりは“もの自体”は日本でも見かけるものだろう。 しかし、「親子丼」は話が変わってくる。ある日式レストランの親子丼は、ご飯の上に鶏肉とうずらの卵、卵焼き、漬物などが載っていて、海老の握りと稲荷、海老フライが載っている。日本人がイメージする親子丼とは程遠いが、サービス満載であることはたしかだ。
「呼び方が近い」からといって「実態も近い」とは限らない
韓国にもうどんはある。日本語と同じく「ウドン」と呼び、なかでも海老フライうどんが人気である。
韓国では天ぷらとフライと唐揚げはいずれも「ティキム」。なので、店頭で「ティキムウドン」を注文すれば良いのだが、その店の料理が「天ぷらうどん」なのか「フライうどん」なのかは、出てくるまで分からない。体感だが、日式を掲げる店で「天ぷらうどん」が出されることはほとんどないといっていい。 おでんも日本語同様に「オデン」と呼ぶ。だが、韓国では練り物全般をオデンといい、日式のほか、トッポッキなどのトッピングや屋台では串刺しのオデンが売られている。
“定番”の「刺身」「寿司」はというと…
海外では寿司と刺身の人気が高いが、韓国は一味違う。 まず、韓国料理にも刺身はある。ただ、基本的には韓国料理では白身魚で、赤身のマグロやサケは日本料理に分類されている。 それゆえ、そうした魚の刺身を食べようとすれば日式料理店に行く必要があるが、注文すると凍ったまま出されることが多い。凍ったままわさび醤油につけて食べるツワモノもいるが、多くの場合は他のつまみを食べながら解凍するまで待って食べることになる。