映画「名探偵コナン」最新作の舞台 長野県で早くも高まる「聖地巡礼」の期待 SNSでトレンド入りの長野県警も「重大事件」に注目
アニメ映画「名探偵コナン」の最新作の舞台となることが公開された長野県。「聖地巡礼」の訪問客に期待する地元の関係者や、発表を受けてX(旧ツイッター)でトレンド入りした「長野県警」などから歓迎の声が上がっている。 【写真】映画「名探偵コナン 隻眼の残像」のポスター。野辺山宇宙電波観測所のパラボラアンテナも描かれている
■パラボラアンテナが格好良く
直径45メートルのパラボラアンテナがある南佐久郡南牧村の国立天文台「野辺山宇宙電波観測所」の西村淳所長(38)は「アンテナが格好良く登場したらうれしい」。天文台に足を運んでくれる人が増えることも期待し、「今回の映画でいろんな人に天文学を知ってもらえればいい」と話した。
■近くにはJR鉄道の最高地点
南牧村観光協会長の滝沢恒夫さん(73)も「野辺山にはJR鉄道の最高地点もあって八ケ岳もきれいに見える。もっとたくさんの人が良さを知り、来てもらうきっかけになってほしい」と願った。
■「北斗の拳」原作者・武論尊さんとの縁
原作者の青山剛昌さんは、佐久市出身の漫画原作者、武論尊(ぶろんそん)さん(77)と親交が深く、武論尊さんが2018年から同市で主宰する「武論尊100時間漫画塾」で講師を務める。3月に市内に開設された「さくまんが舎」でも教壇に立った。さくまんが舎代表の清水浩貴さん(50)によると、5月に訪れた青山さんは「長野県警に取材に行く」と話し、「勘のいい人は『次回作の取材だな』と感じたのでは」。さくまんが舎には青山さんが贈った色紙も飾られており、「多くの人に訪ねてもらえたら」と話した。
■青山剛昌さんは長野県警を取材
この日は、長野市の県警本部でも職員が「長野が舞台らしいね」「今から(過去作品を見て)予習しないと」などと会話を交わした。
5月に県警本部などを見学した青山さんは「県警の皆さんが普段食べているものを食べたい」と県庁10階の食堂で広報相談課長らと昼食を取った。青山さんから贈られた、新作映画にも登場する県警警察官3人とコナンを描いた色紙を6月に県庁で公開すると大勢のファンが詰めかけた。
■「映画では重大事件が予想される」が…
「改めて人気の高さに驚いた」と同課の坂下郁夫広報官。「映画では重大事件の発生が予想されるが、現実の長野県では事件事故が起きないよう、安全・安心の確保に努めたい」と背筋を伸ばした。