「ついに出た」開始から2年で初の吉報…返礼品はブランド牛1頭分の肉 ふるさと納税300万円寄付に町は沸いた
■「もっと蓼科牛をPR」張り切る関係者
長野県立科町のふるさと納税で、地元のブランド牛「信州蓼科牛」1頭分の肉を贈る返礼品に初めて300万円の寄付があった。蓼科牛の知名度アップを狙い、2022年12月に始めて約2年。町や畜産関係者は心待ちにしていた寄付を喜ぶとともに、「もっと町や蓼科牛をPRしていきたい」と張り切っている。 【写真】信州蓼科牛の焼き肉。柔らかくきめの細かい肉質が特徴という
町によると、東京都の男性が10月12日に寄付した。本人の意向もあって経緯や町との関わりは分からなかったが、地元関係者は2年越しの吉報に「ついに出た」と喜んだ。町内で焼き肉店経営や食肉加工販売を手がける会社「いっとう」が返礼品を担当。社長の角田大徳(つのだだいとく)さん(39)は「率直に驚いた。寄付がない中で半頭分の肉を選べる返礼品も検討中だった」と笑う。
■1頭分の牛肉60キロを12カ月に分けて送る
返礼品は、角田さんの家族が経営する牧場の蓼科牛を使用し、90万円相当の牛肉約60キロを12カ月に分けて送る。各種部位を焼き肉店で提供する品質で加工し、1回目の11月は肩肉の一部「ミスジ」など約5・5キロを送った。
角田さんは、引き続き高品質の牛を育てるとともに「地元には農産物や観光という魅力もある。地域と連携して町を盛り上げたい」と話した。
蓼科牛は、主に黒毛和種とホルスタイン種の交雑種。佐久浅間農協(佐久市)管内で生産された稲の発酵飼料や自家産の乾牧草で育てるなど、基準を満たした牛を同農協が認定している。柔らかく、きめの細かい肉質で適度な霜降りが特長という。