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hitomiの『LOVE LIFE』は女性アーティストが隆盛を迎えた、2000年を象徴するアルバムのひとつ

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OKMusicで好評連載中の『これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!』のアーカイブス。今回はhitomiの代表曲「LOVE 2000」を収録する『LOVE LIFE』を取り上げたい。 ※本稿は2016年に掲載

高橋尚子の金メダルを後押し

2000年9月24日、シドニー・オリンピック、女子マラソン。中盤からルーマニアのリディア・シモンとデッドヒートを演じていた高橋尚子は34キロメートル過ぎにスパートをかけ、そのまま逃げ切って金メダルを獲得した。日本のオリンピック陸上競技での金メダルはこれが64年振りであり、日本女子陸上界においては史上初の快挙であった。タイムの2時間23分14秒は当時のオリンピック記録でもあり、これらの功績により彼女は国民栄誉賞を受賞。女子アスリートとして歴史にその名を残すこととなった。彼女がこのレースでスパートをかけた際、それまでかけていたサングラスを沿道の父親に投げたシーンも話題になり、それを真似た人も多かったようで、その後、眼鏡屋に眼鏡やサングラスの修理が相次いだなんて話もある。そして、高橋選手はhitomiの「LOVE 2000」を練習中に聴いていて、レース前にもこの曲を聴きながらテンションを上げていたというのも有名なエピソード。その後、「LOVE 2000」は高橋尚子関連のみならず、陸上競技、あるいはスポーツ関連のニュースでも使用されることも多くなり、hitomiを代表する楽曲となった。同年6月の発売当時、すでにプロ野球中継のタイアップがあった同曲だが、こうした経緯で再評価され、ロングセラーを記録したケースは極めて稀でもある。 この「LOVE 2000」。今聴いても景気のいい楽曲である。何と言っても、サビ頭のメロディーが巧みであり、極めて印象的だ。メロディーの良さで8割方、楽曲の成功が決定していると言ってもいいだろう。音符は多くないが、短い中にも確かな抑揚があり、メジャー感も強い。聴き応えは何ともさわやかで、晴れ晴れとした気持ちにさせられる音階である。高校野球の応援歌で使われることがあったことでもわかるように、高橋尚子のみならず気分が高揚するメロディーであることは間違いないだろう。サウンド、歌詞も景気がいい。サウンドは、軽快なギターリフ、硬質だが抜けのいいビート、そこにホーンセクションも重なり、バラエティー豊かで圧しも強い。歌詞は、《愛はどこからやってくるのでしょう 自分の胸に問いかけた/ニセモノなんか興味はないの ホントだけを見つめたい》《少しずつだけどいろんな事が変わって 私はここにアル》というサビもさることながら、Aメロの《悲しいNEWSとどうでもいい話/朝からもうそんなのうんざりで/今日はいつもよりも風が気持ちイイからネ/楽しさに着替えてネ》で見せる楽天性もいい。この“いんだよ、細けえことは”的な精神は聴く人にリラックス効果を与えることにもつながっているのではないかと推測できる。

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