【ラグビー】ソーシャルディスタンス忘れる興奮。ゴードン、豪州・NSW州クラブ王者に。
オーストラリア・NSW州のクラブラグビー選手権「シュート・シールド」(Shute Shield)のグランドファイナルが10月31日(土)、ライカート・オーバルでおこなわれた。 ゴードンがイーストウッドに28-8で勝ち、1998年以来22年ぶりに頂点に輝いた。 ゴードンはかつてワラビーズのキャプテンを勤めたスターリング・モートロックも所属していた名門クラブのひとつ。しかし、近年はプレーオフ進出どころか、下位で低迷する厳しいシーズンが続いていた。 一方、イーストウッドは、2014年、2015年に連覇を達成するなど、ファイナルシリーズの常連だ。 今年は新型コロナウイルスの影響で開幕が7月中旬にズレ込んだ。その影響でクライマックスを迎えるこの時期は、すでにサマータイムとなっている。 そんな中、今季のゴードンは充実のシーズンを過ごした。レギュラーシーズンを11勝1敗の首位で終え、堂々とファイナルシリーズに進出、この舞台まで一気に駆け上がった。 イーストウッドはレギュラーシーズン5位に終わるも、準々決勝、準決勝で地力を見せ、グランドファイナルまで勝ち上がった。
決戦の日は、雷雨の天気予報だった。しかし試合開始時には陽が差し、人数制限があるものの、会場には多くの観衆が集まった。 そんな中でのキックオフ。試合開始直後はゴードンが勢いを見せるも、先手を取ったのはイーストウッドだった。フェーズを重ねた後、豪州7人制代表のLOティム・アンスティが抜け出す。ゴールまで一気に駆け抜けた。 ただ、先制を許したゴードンに動揺はなかった。 昨年のワールドカップにも出場したNO8ジャック・デンプシー(ワラビーズ/ワラターズ)等を中心に積極的にボールを前に運ぶ。PGを重ねて逆転に成功すると、待望のトライも生まれ、14-5でハーフタイムを迎えた。 力の入った展開だった前半途中、こんなこともあった。 バックスタンド側の芝生立ち見席で、盛り上がる多くの観衆がソーシャルディスタンスを保てなくなったのだ。会場管理に来ていた警察、ならびに保健省スタッフから連絡を受けたレフリーが試合を止める場面があった。 場内アナウンスが流れた。 「この試合は保健省による厳格なガイドラインの下運営されており、観戦には各々距離を取らなくてはなりません。それができなければ試合を再開することはできません」 ソーシャルディスタンスを保つように促した結果、観衆の理解と協力が得られ、試合が再開した。