ANAとJCB、マイルたまるQR決済「ANAペイ」スタート
全日本空輸(ANA/NH)は12月10日、ジェーシービー(JCB)と提携して自社のスマートフォン用アプリを使ったQRコード/バーコード決済サービス「ANA Pay(ANAペイ)」を始めた。ANAのマイル制度「ANAマイレージクラブ(AMC)」の会員のうち、JCBのクレジットカードを持つ人が使えるサービスで、決済額に応じてマイルがたまる。また、JCBブランドのANAカード「ANA JCBカード」では、チャージする際にもマイルをためられる。 11月の当紙既報の通り、ANAのマイレージ会員用アプリ「ANAマイレージクラブ」を使ったサービスで、決済時は200円ごとに1マイルがたまる。これに加えて、ANA JCBカードでチャージする場合、一般カードは1000円で1マイル、ゴールドカードは同6マイル、プレミアムカードは11マイルが付与される。 利用可能な店舗は、JCBが展開する決済スキーム「Smart Code(スマートコード)」の加盟店と、ANA系の空港売店「ANA FESTA」。空港免税店「ANA DUTY FREE SHOP」も順次対応していく見通し。利用上限額は、1回5万円となる。 ANAペイの特約店では、決済時に得られるマイルとは別に200円ごとに1マイルが追加でたまるサービス「ANA Pay マイルプラス」を展開する。 また、ANAペイを新規登録の際に、参加登録で500マイルをプレゼントするなどのキャンペーンを展開していく。 ANAのマイル会員は約3700万人。これまでは自社で発行するクレジットカード「ANAカード」で決済時にマイルを付与してきたが、ANAペイはANAカードを持たない人でもマイルをためられるようにし、ANA便の利用者拡大につなげる。また、クレジットカードを少額決済に使わない人も一定数いることから、コンビニエンスストアなどの支払いといった「普段使い」でマイルをためやすくする。 ANAは10月27日に事業構造改革を発表。非航空系事業を強化していく中で、「スーパーアプリ」の開発を目指すとしており、今回のQRコード決済参入で土台を築く。ANAを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)の片野坂真哉社長は、5年間で非航空系の売上を2倍に増やす意向を示しており、金融分野を強化することで、航空事業への依存度を下げていく狙いがある。
Tadayuki YOSHIKAWA