アイドラ、熱狂の初アジアツアー国内公演ファイナル、北山宏光とのステージ初共演も
I Don’t Like Mondays.が2024年12月1日(日)、初のアジアツアー「“FOCUS” ASIA TOUR」の国内公演ファイナルを東京・Zepp DiverCity(TOKYO)で開催した。同公演の様子をレポートする。 【画像を見る】国内公演ファイナルの様子(全9枚) 今年メジャーデビュー10周年を迎えたI Don’t Like Mondays.は、実に精力的な活動を送っていた。1月にバンド初となる中国ツアー「”RUNWAY” TOUR THE ENCORE in CHINA」を広州・深圳・上海・北京の4都市で開催し、全公演即日ソールドアウトという快挙を成し遂げた。2月にはファン投票型ツアー「2nd SELECTION TOUR」を東京・大阪・名古屋・福岡で実施。4月からは「10周年企画ISLAND TOUR」を北海道・四国・九州・沖縄で全13公演開催。9月にも初の試みとなるフリーライブ「I Don’t Like Mondays. FREE LIVE 10TH ANNIVERSARY」を、東京・ダイバーシティ東京プラザ フェスティバル広場で行なった。一方で、2月14日にリリースされたSnow Manの10thシングルの表題曲「LOVE TRIGGER」を楽曲提供し、10月9日には配信EP『FOCUS』をリリース。とにかくトピックが絶えない1年だ。そんな彼らは10月19日から、こちらも初となるアジアツアー「“FOCUS” ASIA TOUR」をスタートさせて、12月1日に国内公演のファイナルを東京・Zepp DiverCity(TOKYO)で迎えた。 開演時間になり、場内の明かりが落ちると同時に荘厳な音が流れ、白と青のスポットライトがステージを染めた。CHOJI(Gt)、KENJI(Ba)、SHUKI(Dr)が姿を見せると、満員のフロアから大きな歓声が起きた。最後にYU(Vo)がステージ袖から現れて、静かにマイクスタンドの前へ。透明感とスケール感のある演奏に、YUがウェットな声を乗せた「Someday」で幕を開けた。間髪入れずに、カンテレ・フジテレビ系・月10ドラマ『モンスター』のOP曲「Shadow」を繰り出すと、一瞬にしてエキゾチックな雰囲気に変わった。さらに抑揚が魅力な「Lonely Dancers」を披露したところで、改めてYUが観客に言葉を送った。「2024年、I Don’t Like Mondays.メジャーデビュー10周年。この記念すべき年、記念すべきツアーに我々4人のすべてを詰め込みました! 受け取ってくれますか!?」と問いかけると、フロアからは無数の腕が上がった。「TONIGHT」でCHOJIのクリアなギターにYUの瑞々しい歌が合わさった時、僕の脳裏には高い空を自由に飛び立つ鳥の姿が浮かんだ。そこにSHUKIとKENJIの逞しいリズム隊の演奏も加わり、さらに爽快な景色が広がっていった。観客が「TONIGHT」の箇所を歌うと、YUは気持ちよさそうな表情で両腕を大きく広げた。まるで、音楽が作り出す広い空を泳いでいるように見えた。 「Sunset Girl」「Summer Ghost」と夏を舞台にした楽曲を演奏した後、YUが再びマイクを握る。「このバンドを結成したその日から今日に至るまで、いろんなことがありました。もう、あり過ぎてカオスみたいにぐしゃぐしゃに見える時があります。だけど、今日はこうして東京とみんなと一緒に楽しんで、その記憶がすべて美しい。……そんな曲を届けます」。そう言って披露した「Beautiful Chaos」が素晴らしかった。眩いほどの光を背中で浴びながら「そう何度も僕は歌うよ 君の隣で」と熱狂も歓声もすべてを包み込むように歌う。これは彼らがリスナーへ送るラブソングであり、アイドラのアンセムとも言える曲。特に、ラストは4人の音が渾然一体となって、強大なエネルギーを放っていた。以前、インタビューをした時にYUは同曲について次のように話していた。「一番は最後の方でガンガンガン!となるのが、まさにカオスだなと思ったんですよ。カオスって言うとネガティブな印象なんだけど、そのカオス感ってある意味では美しいし、それが人生だったり愛だったり、もはや全部そうじゃないかなって」。間違いなく前半のハイライトだったと思う。 ライブ中盤になり、ここでメンバー全員が椅子に座った。この日、特別なアレンジで演奏されたのは1stアルバム『TOKYO』収録の「LOVE YOURSELF」だ。CHOJIの優しくも儚いアコギに合わせて、YUはしっとりと歌い上げ、会場を優美なムードに染めた。「せっかくなので、次も(CHOJIと)2人で意外な曲をお届けしたいと思います」と言って「Mmm...」へ。「New York, New York」で再び会場の熱気を生み出すと「なんと…今日はスペシャルゲストが来てくれました!」と発表し、北山宏光が登場。まさかの嬉しいサプライズに大歓声が起きた。 「僕らの作った曲を一緒に歌いたいと思います」と発して、来年2月3日にリリースされる北山の3rdシングルの表題曲「Just Like That」をコラボした。ピンク色のスポットライトに照らされたミラーボールが回る中、YUと北山は向かい合って嬉しそうにボーカルを分け合い、妖艶で煌びやかなダンスナンバーを届けた。興奮さめやらぬ観客を前に、YUは北山との出会いについて話し始めた。「北山くんは僕がバンドをやる前から知り合いで。僕がふらふらと遊んでいる時に、この壁にぶち当たりまして」「ハハハ。久々に会ったら『バンドを組んだから聴いてみてください』『わかった!』と言ってね。『FIRE』を聴いたらしびれちゃって。それでいつか一緒にやりたいね、という話を当時からしていて」。まるでクラスメイトと話すような、親密な時間が流れる。「そんな中、第一弾のコラボとして『DON’T WANNA DIE』を書かせてもらってね(2019年、北山に提供した楽曲)。そこからの“おかわり楽曲提供”ということで」。「ありがたいよ。『Just Like』の話をしている時に、2人でうなぎ屋さんでうなぎを食べたよね」と北山が感謝を楽曲制作のエピソードを明かすと、YUは「その後、Barも行っちゃたりしちゃって、大人な感じ」と嬉しそうに話した。「その時にさ、ウイスキーを飲んでいたじゃん。歌詞に入ってるからさ、それに感動しちゃってさ」「昨日の夜のウイスキー、だよね」「そう! これ俺のことだからね」と自慢げに話す北山も微笑ましかった。