パワハラ議員や首長が増加するまさかの背景。「いったい何様?」な“グレーゾーン上司”の言い分と対処法
発達障害の人たちに対する理解が少しずつ広がってきています。しかし、職場にいる発達障害の「グレーゾーン」と呼ばれる人たちとどうかかわったらよいのか?「グレーゾーン」とは、発達障害の傾向がありながら、その診断がついていない人たちを指す言葉です。 カウンセラーとして、これまでに約1万人の悩みを聴いてきた公認心理師・舟木彩乃さんは、著書『発達障害グレーゾーンの部下たち』(SB新書)で、グレーゾーンの部下、あるいはグレーゾーンの上司を持ったときの対応を紹介しています。 今回は同書から「上司がグレーゾーンだった場合」を抜粋・編集して紹介します。
上司がグレーゾーンではないかと疑う声が増えている
前回の記事では、グレーゾーンの社員の上司など、指導役となる人がとるべき対応法をお伝えしてきました。次は、上司がグレーゾーンだった場合に、部下がどのように対応すれば良いかについて触れていきます。 読者の中には、なかなか話を聞いてくれなかったり、自分のやり方を押しつけたりする上司に悩んでいる人もいるのではないでしょうか。 前掲書の企画段階では、グレーゾーンの部下への対応法をメインテーマとしていました。それは、筆者が受ける相談に、グレーゾーンの社員に対して、上司としてどう対応すれば良いか分からない、グレーゾーンの部下に上手く対応できない自分には管理能力がないのではないか、などと思い悩んでいるケースが多かったからです。
パワハラ議員や首長が登場する背景
ですが、最近は「上司がグレーゾーンかもしれない」という相談も増えてきました。その多くは、パワーハラスメントをしている上司が、発達障害やグレーゾーンではないかと疑う内容です。このような相談は前々からありましたが、今年に入ってから一気に増加しています。 今年に入ってから行政機関や民間企業でのパワーハラスメントの話題が相当増えており、連日のようにメディアで取り上げられていることも、相談が増えたことに影響しているのかもしれません。 パワーハラスメントを働いている人には、議員や首長など選挙で選ばれた人も含まれています。公職にある権力者のパワーハラスメントは、当然マスコミの取り上げるところとなり、報道をきっかけに類似する案件などが、行政、民間を問わず噴出することになります。 このようなハラスメントの背景には、実際に、上司の発達障害やグレーゾーンが関係していると思われることも多々あるのです。