漢方的アプローチからの冷え対策。
漢方相談によって長年悩まされていた頭痛の原因が解明され、明るい未来が見えてきたエディターK。今回は、もうひとつの悩みでもある「冷え」の対策について解説する。
「気血不足」や「気滞」etc.、「冷え」を引き起こす原因はひとつではない。
──Kさんのもうひとつのお悩み「冷え」について。婦人科で処方された「当帰芍薬散」は冷えにも効くと聞いていたそうですが、それは叶わなかったんですね。 K はい。「成城漢方たまり」の薬剤師・柳沢侑子さんによると「当帰芍薬散」は温める力がすごく強い薬ではないので、根本的な「冷え」の改善に繋がらない場合もあるんですって。子どもの頃からの慢性的な「冷え」などは、生命力の源である「腎」が弱り、体を温める力が不足しているのが原因だそう。「当帰芍薬散」は血を補い巡らせたり、体内の余分な水を抜く作用があるので、そのことで冷えがよくなることはあるけれど、直接的にものすごく体を温めてくれるお薬ではないらしいです。 ──なるほど。Kさんのしぶとい「冷え」には、弱すぎたんですね。 K そうみたいです。「冷え」と言っても原因はいろいろあって、もともと温める力が不足しているタイプの人もいれば、「気」といわれるエネルギーや「血」という体の栄養素が足りない、「気血(きけつ)」のバランスが悪いという人もいるそうです。手先や足先だけ冷える人は、「気滞(きたい)」という、エネルギーはあるけど上手く巡らない“気が滞っている”症状の場合もあるんですって。なので原因が違えばアプローチの仕方も違うんですよね。ただ柳沢さんは、原因はいくつもあるけど、「どんな人もまずは冷えないようにして!」とおっしゃっていました。 ──がんばって温めようとするのではなく、まずは冷えないように注意するんですね。 K はい。例えば、冬はパンプスをはかないとか、マフラーはしっかりするとか、冷たいものを飲まないとか、冷蔵庫から出したものをそのまま食べないとか。「冷え」に悩みつつも、結構無意識にやってしまっている人が多いみたいです。