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レジ袋「プラスチック製」は全面NG…「国より厳しい」話題の条例に懸念も?

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弁護士ドットコム

京都府亀岡市で3月24日に成立した、プラスチック製レジ袋の提供を全面的に禁止する条例が、国が今年7月から全国一律で行う予定の規制よりも厳しい内容だとして話題となっている。 【写真】ラピュタそっくりの島「見ろ、海岸がゴミだらけだ…」 条例は、市内の全事業者が対象で、無料のみならず有料での提供も禁止するほか、紙袋などであっても無料での提供を禁止している。 違反した事業者には立ち入り調査や是正勧告をおこない、従わない場合には、条例施行後に設置予定の審査会の意見を聴いたうえで事業者名を公表できる。 ネットでは、「最初は不便でも、そのうち慣れる」、「全国が亀岡に続かないと」といった肯定的な意見がある一方、「必要なときに有料でも使えないのはやりすぎ」、「手ぶらでふらっと店に入ることもできないのか」といった声もあり、賛否両論だ。 国も容器包装リサイクル法の関係省令を改正し、全国の小売店を対象に、プラスチック製レジ袋の有料化を義務とするが、亀岡市の条例はこれよりも厳しい規制だ。 法律で決められた規制より条例で厳しくすることは可能なのだろうか。湯川二朗弁護士に聞いた。 ●「亀岡市の条例が法律に反しているとまでは言えない」 ーー法律で決められた規制よりも条例で厳しく規制できるのでしょうか 「俗に『上乗せ横出し条例』とも言われますが、条例は法令に違反しない限り許されます。 法令に違反しないかどうかは、法令と条例の対象事項や規定文言を対比するだけでなく、それぞれの趣旨、目的、内容及び効果を比較し、両者の間に矛盾抵触があるかどうかによって判断されます」 ーー亀岡市のレジ袋条例は法令の範囲内と言えるのでしょうか 「国は、容器包装リサイクル法の関係省令を改正し、プラスチック製レジ袋の有料化を進めようとしています。 容器包装リサイクル法は、廃棄物対策のために、一定規模以上の容器包装の製造・利用業者に対して、容器や包装のリサイクルその他排出抑制義務を課して、ごみを減量しようとする法律です。 国のレジ袋有料化は、小売事業者に対して、全国一律に消費者へのプラスチック製レジ袋の無料配布を禁止するものです。 ただし、そのレジ袋からは持ち手がないものや生分解性プラスチックやバイオマス素材によるものは除外されています。 それに対して、亀岡市の条例は、プラスチック汚染、とりわけ海洋プラスチック汚染を防止し、良好な環境保全を目的として、全ての事業者に対してプラスチック製レジ袋の配布を禁止し、加えて生分解性プラスチック、バイオマス素材、紙製の袋も無償提供を禁止するものです。 容器包装リサイクル法は、自治体がそれぞれの地域の事情に鑑みて、あるいはまた地域環境・地球環境保全を目的として、『法の定め以上の規制をしたり、法の定めのない規制をすること(上乗せ横だし)』を禁じるものとまでは言えません。 亀岡市の条例が容器包装リサイクル法に違反しているとまでは言えないでしょう」 ●「なお検討するべき点があるのではないか」 ーーそのほかに懸念はありませんか? 「亀岡市の条例は容器包装リサイクル法に違反しているとは言えませんが、事業活動を規制するものですから、規制の必要と程度は比例しなければなりませんし、規制するだけの具体的な立法事実が必要です。 亀岡市の地域ブランド確立に向けての意気込みは理解しますが、 ・国のレジ袋有料化の結果を待って施行時期を決定するのでは遅すぎるのか ・プラスチックごみ排出抑制のためにレジ袋有料化だけでどうして足りないのか ・プラスチックごみの排出抑制が条例の立法目的であるのに生分解性・バイオマス素材・紙製袋まで提供を禁止する必要性・関連性があるのか ・提供が禁止されるプラスチック製レジ袋には食品売場で生鮮食品等を入れるための持ち手のない袋やプラスチック製マイバックも含まれるのか ・クリーニング衣類を保護したり品物が雨に濡れないようにプラスチック袋に入れることも禁止されるのか などについて、もう少し検討がなされてもよかったのではないかと思います」 【取材協力弁護士】 湯川 二朗(ゆかわ・じろう)弁護士 京都出身。東京で弁護士を開業した後、福井に移り、さらに京都に戻って地元で弁護士をやっています。土地区画整理法、廃棄物処理法関係等行政訴訟を多く扱っています。全国各地からご相談ご依頼を受けて、県外に行くことが多いです。 事務所名:湯川法律事務所 事務所URL:https://www.bengo4.com/kyoto/a_26100/g_26104/l_123648/

弁護士ドットコムニュース編集部

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