「リーマンやコロナを超える大暴落の可能性も」元ウォール街投資家が警告
投資対象としてゴールド(金)を保有している人はあまり多くないだろう。しかし、「ゴールドが近い将来最も有力な投資先になる」と提唱するのは、YouTube再生回数6000万回を超える人気投資家の高橋ダン氏だ。2月刊行予定の著書『ゴールド投資──リスクを冒さずお金持ちになれる方法』では、ゴールドに投資する根拠から投資の実践方法まで余すことなく語った。本稿では、特別に本書から一部を抜粋・編集して紹介する。 【この記事の画像を見る】 ● 次の大暴落はいつやって来るのか? コロナショックを経験したことで、市場が案外、簡単にクラッシュするのだと実感した人は多いでしょう。 次のショックがいつ起きるかはわかりません。私はそう遠くない未来に起きると思います。 また、コロナショックやリーマンショックよりも大きなクラッシュが起きる可能性も十分にあると考えています。 その根拠は2つあります。 ● 根拠1:歴史が証明する大暴落のサイクル 1つは、歴史的にも確率的にも統計的にも、大きなクラッシュが定期的に起きていることです。経済学や相場の世界では、7年から8年くらいのサイクルで中規模のクラッシュが起きると考えられています。 私の考えでは、コロナショックはこのタイプのクラッシュです。 また、中規模なクラッシュとは別に、50~70年くらいのサイクルで大きなクラッシュが起きるとも考えられています。 現役世代で50~70年前のことを知っている人は少ないでしょう。 それはつまり、次に起きるクラッシュは、過去に「経験したことがない」強烈なクラッシュになるかもしれないということです。 大きなクラッシュの例としてわかりやすいのは、1930年代のアメリカで起きた大恐慌でしょう。 大恐慌のきっかけは1929年に起きたNY市場の株価大暴落(10月24日。通称「暗黒の木曜日」「ブラックサーズデー」)でした。 暴落前のダウ平均株価は300ドル台後半でしたが、翌月には200ドル台まで下落しました。 1日の下落率は10%少々でしたが、翌日や翌週の市場でも株価は崩れ続け、この暴落によってアメリカの国家予算の10年分ものお金が市場で消えたといわれています。 その後、株価はいったん底打ちしますが、再び下落して、約3年間に渡ってひたすら下落し続けます。 最終的に底打ちしたのは1932年で、このときの株価は41ドルでした。 暴落前の高値と比べて、約10分の1まで下がったのです。 しかも、そこからすぐに株価が回復したわけではありません。暴落前の株価水準(300ドル台後半)まで回復したのは、ブラックサーズデーから25年後の1954年です。 ちなみにリーマンショック後の株価回復までは約5年でしたが、恐慌と名がつくような大暴落の場合は、株価が回復するまで10年、20年といった時間がかかることもあるのです。