トランプとの「関係修復」を図るメタ、米大統領就任式に1.5億円寄付
米メタがドナルド・トランプ次期大統領の就任式の資金として100万ドル(約1億5000万円)寄付したことが明らかになった。同社が11日に報道機関に認めた。同社のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は数週間前、長年にわたる対立関係を修復しようとフロリダ州にあるトランプの私邸マール・ア・ラゴを訪ね、会談していた。 メタの寄付を最初に報じた米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、メタ側は先月のトランプとの会談に先駆けて、就任式の基金に寄付する意向をトランプ側に伝えていたという。 メタは寄付を行ったことを同紙に認めたが、寄付を決めた理由について詳細は明らかにしなかった。 同紙は記事の中で、公になっている記録からメタは2017年のトランプの就任時と2021年のバイデン大統領の就任時に寄付をしていないとも指摘した。 連邦選挙委員会によると、企業が就任式の実行委員会に寄付をすることは認められており、限度額は設けられていない。 ニューヨーク・タイムズは以前、トランプの就任式の実行委員会が、100万ドルを寄付するか200万ドル(約3億円)の寄付を集めた人に就任関連のイベントのチケットを提供していると報じた。 タイムズの記事には、100万ドル以上寄付した人には来年1月17~20日に予定されている複数の就任式関連のイベントのチケットが6~8枚贈られるとある。ここには1月20日の就任式に参列するためのチケット6枚が含まれる。また、寄付が多い人はトランプ政権の閣僚候補が参加する1月18日のレセプションや、J・D・ヴァンス次期副大統領夫妻との夕食会にも出席できる。その翌日にはトランプ夫妻と食事をする機会もある。ザッカーバーグやメタの経営幹部がこれらのイベントに出席するかどうかは不明だ。
トランプの攻撃や侮辱にもかかわらず、暗殺未遂で難を逃れたトランプを称賛するザッカーバーグ
先月末の会談はザッカーバーグがトランプとの関係を改善するための動きと見られていた。その際、メタの広報担当はザッカーバーグが「トランプ次期大統領と夕食をともにし、次期政権を支えるチームと会う機会に感謝している」と説明した。トランプの側近で大統領次席補佐官(政策担当)に抜擢されたスティーブン・ミラーがFOXニュースに語ったところによると、ザッカーバーグは会談中に「次期大統領のリーダーシップの下で行われる米国の再生を支援したい」とトランプに伝え、トランプを「変化と繁栄の推進者」と見なしているという。 トランプとザッカーバーグは過去数年間、対立関係にある。特に2021年1月6日に発生した米連邦議会議事堂襲撃事件を受けてフェイスブックとインスタグラムのアカウントが凍結されてから、トランプはメタを公然と攻撃してきた。当時トランプはアカウント凍結は自身に投票した人に対する「侮辱 」だと批判し、「メタが検閲を行い、言論の自由を奪ったことは見逃されるべきではなく、最終的には我々が勝つ」と述べた。2023年にアカウントは復活したものの、トランプはメタとザッカーバーグに厳しい言葉を投げ続けた。 トランプは3月に中国企業傘下のTikTok(ティックトック)の禁止に反対し、フェイスブックの方が大きな脅威との考えを示して「国民の敵」呼ばわりした。7月には自身のSNSのトゥルース・ソーシャルへの投稿でザッカーバーグをまたも攻撃し、「選挙の不正にかかわった者たちをかつてないレベルで追跡し、そうした者は長期間刑務所に送られる」と警告。 末尾には「ZUCKERBUCKS、気をつけろ!」と書いた。 トランプの攻撃や侮辱にもかかわらず、ザッカーバーグはその後の暗殺未遂で難を逃れたトランプを称賛し、銃弾が耳をかすめた後に拳を振り上げたところをとらえた写真は「これまで目にした中で最も格好いいものの1つ 」とブルームバーグ通信に語った。
Siladitya Ray