復活見せたメルセデス、でもモナコGPは苦戦必至? ウルフ代表「どのサーキットよりも期待できない」
メルセデスF1は2022年シーズンの開幕から、苦戦が続いてきた。第6戦スペインGPで調子を上向かせることができたが、チーム代表のトト・ウルフは次戦モナコGPに向けて過度な期待は抱いていない様子だ。 【動画】触った? 触ってない? ハミルトン、パルクフェルメ規則違反疑惑が浮上 今シーズン、メルセデスが苦しんできた原因となっていたポーパシングは、スペインGPで投入されたアップデートによって大きく改善された様子だった。それによってマシンのパフォーマンスをより引き出すことが可能となり、ジョージ・ラッセルが3位表彰台を獲得している。 次戦はモナコGPが控えているが、スペインGPで上向いた調子がモナコでも続くのだろうか? そんな期待に反して、ウルフ代表はモナコでの期待は“他のどのサーキットよりも低い”と厳しい考えを示した。 「そうだ、とは言えないだろう」 モナコGPで好リザルトを得られると楽観視しているかと訊かれたウルフ代表は、そう答えた。 「というのも我々は今週末、オーバーヒートによって最終セクターの低速コーナーでペースを欠いていたからだ」 「モナコではまた違っているかもしれないが、あそこは昔から、我々にとって最高にハッピーな場所ではなかった。マシンのサイズが巨大化しているからなのかもしれない。ただ今週末、我々の立ち位置がどこなのかを確かめるのは興味深いところだ。ウォームアップではまだ少し苦戦しているため、モナコに向けては他のどのサーキットよりも期待は低いんだがね」 「理由を科学的に説明できる自信はない。だが少なくとも、我々をこのゲームに再び戻すための、学習ポイントにはなりそうだ」 ウルフ代表の語るように、メルセデスがモナコGPに向けて懐疑的なのはスペインGPの舞台、カタルニア・サーキットの最終セクターで非常に強力なパフォーマンスを発揮できていなかったことにも要因がある。 モナコGPの舞台となるモンテカルロ市街地コースは、低速/中速コーナーとトラクションエリアがカタルニア・サーキットの最終セクターと非常に似通っているため、同地でのパフォーマンスを示す良い指標としてしばしば扱われている。 カタルニア・サーキットでの予選セクタータイムを見ると、メルセデスはフェラーリ、レッドブル、アルファロメオ、ハースに次ぐ5番手。タイヤの使い方などの違いはあるが、予選が重要になってくるモナコGPに向けては不安材料だろう。 ■ポーパシングは解決していない? スペインGPでは前述の通り導入されたアップデートにより、ポーパシング現象は大きく改善されていた。しかしメルセデスのモータースポーツ・ストラテジー・ディレクターを務めるジェームス・ボウルズは、問題が根絶されたとは考えていないようだ。 「我々は、期待を落ち着ける必要がある」 ボウルズはメルセデスのレース後ビデオ報告で、そう語った。 「ある1箇所のコースで、そこは何年も我々にとって合ったコースだった。我々が理解し、学ぶことはたくさん存在する」 「ポーパシングの問題が消えたと言うのは間違いだろうと思う。ポーパシングはまだライバルにも見られると思うし、バルセロナで定めた基礎と理解がありつつも、戻ってくる要素だろう」 「私に言えるのは、我々が決定的な一歩を踏み出した、ということだ。そのステップはコース上で我々が投入したものを開発し、理解していくためのステップであり、その上に積み重ねていくことができる。これまでの5レースのマシンでは、それができていなかった」
Jonathan Noble