進化する大学のデジタル図書館 スマホで貸し出し、レポートを学生が電子書籍化
新たな本との出会いを演出
デジタル図書室の室内には、タッチパネル式の電子掲示板も設置されています。新着本や教職員のおすすめ本などが表示され、タッチすればその詳細を確認できるようになっており、本との出会いを演出しています。 デジタル図書室のすぐ上のフロアである6階から8階までは、ラーニングコモンズやインターナショナルラウンジになっていますが、そこにも各エリアの特性に合った本を置いています。これらを借りたい場合には、専用のスマホアプリで本に貼ってあるバーコードをスキャンすれば、カウンターや貸し出し機を通さずに借りることができます。
デジタル化に図書館という箱は必要なのか?
今後の課題は、デジタル化された本やデータベースをもっと身近に感じてもらい、それを学生が使いこなせるようにリテラシー教育を充実させることです。 立石さんは、次のように話します。 「古い聖書など本学の貴重なコレクションも、ぜひデジタル化して公開したいと考えています。今後、紙の本が完全になくなることはないと思いますが、『デジタル化が進んだら図書館という箱は必要なのか』という議論も出てくるかもしれません。しかし、図書館の存在意義は、専門のスタッフが常駐し、信頼性の高い情報を提供できることにあると思います。玉石混交の情報があふれるなか、信頼性の高い情報を学生に提供すること、そして学生たちにその利用方法を知ってもらうことが大学側の使命です。ICT技術の導入によって従来の業務が軽減され、私たち職員もより高度なレファレンス業務に時間を充てられるようになるので、学生のサポートにさらに力を入れていきたいです」 学習や研究を深めるためには、良質な資料との出会いが必須です。デジタルを駆使した図書館は、その強い味方になっていくでしょう。
朝日新聞Thinkキャンパス